• カンヒザクラ
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子どもと日向神社を散歩していると,見慣れない紅い花が満開となっていました。近づいて見るとサクラです。「緋寒桜」の名札がついていました。名の通り,緋色をしています。いわゆる桜色とは違うエキゾチックな雰囲気があります。

「朝日百科植物の世界5」によると『このサクラが初めて植物学的に認識されたのは1883年で,ロシアの植物学者マクシモヴィッチによる。彼の研究のもとになったのは,大阪の植木屋で得たものと中国の福建省産の標本であった。種小名のカムパヌラタは「鐘形の」という意味で,花弁が平開せず常に半開きのため,花冠が鐘の形になるからである。その後,沖縄,台湾,中国大陸南部の浙江省や広東省,広西チュワン族自治区などの山地にも生えていることがわかった。』とあります。

カンヒザクラは花の色や形ばかりでなく,散りかたもまた変わっています。木の下に落ちていた花殻はツバキのように花の形を保ったまま落ちているのです。この木は本当にサクラなのだろうかと,思わず疑ってしまいました。サクラの花はみな花びらがばらばらに散るものと思っていましたが,こういうサクラもあるのですね。