• ドウダンツツジ
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ドウダンツツジの花。こういう花の形を「つぼ形」といいます(写真1)。
花冠を切って,中を見てみました(写真2)。1本の雌しべと10本の雄しべがあります。
雄しべは花冠にくっ付いていて,花が落ちるときには,ツツジの花のように,雄しべごとすっぽりと抜け落ちます。花が抜け落ちたあとは,花柱だけが残っています(写真3)。

ドウダンツツジの名は「灯台ツツジ」からきています。「朝日百科 植物の世界」に次のように書いてありました。
『満天星(どうだん)の花に止まりづらき虻(あぶ) (小暮つとむ)
本来,ドウダンツツジの和名は「灯台躑躅」と書き,枝の分かれ方がかつて宮中などで用いた結び灯台に似ていることから名づけられ,「とうだい」が「どうだん」に転じた。しかし,花の咲く様子が満天に星を散らしたいようで美しいため,現在では冒頭の句のように,「満天星」と書くことが多い。』

「結び灯台」とはどのようなものか,小学館「日本国語大辞典」によると
『細長い三本の丸棒を紐で結び,上下を開いて立て,上に油皿(あぶらざら)を置いて火を点じるもの。宮中での夜間公事などに際して用いられた。』とあります。

平凡社「日本史モノ事典」に「結び灯台」の絵が載っていました。ドウダンツツジの分岐した枝ぶりと並べてみましたが,似ているでしょうか(写真4)。