• アシナガバチ
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塀にセグロアシナガバチがとまっていました(写真1,2)。
カラタチの生垣のなかにも,ホソアシナガバチがじっと潜んでいました(写真3)。
どちらも朝7時過ぎくらいです。何をしているのでしょうか。

今の時期にいるアシナガバチは,すべて昨年の秋に交尾した雌です。
いわゆる女王蜂で,これから巣作りをし,卵を産みます。

アシナガバチの一年をまとめると次のようになります。(小川宏著「科学のアルバム アシナガバチ」による)

4月… 母親バチが冬眠から目覚めます。
5月… 母親バチが1匹で巣作り,産卵,幼虫の世話をします。母親バチから生まれるのは全部雌(娘バチ)です。
6月… 娘バチが次々に誕生し,巣作りや,あとから生まてくる幼虫の世話をします。
7月… 巣は,娘バチの働きで,どんどん大きくなります。
   娘バチを育てた母親バチは,巣で産卵と幼虫の世話だけをします。
   雄バチがいないので,娘バチは交尾することができません。
8月… 夏の終わりごろ,母親バチが力尽きて死にます。
   娘バチが産卵を始めます。交尾していない娘バチの卵は,雄バチになります。
9月… 母親バチが残した雌になる幼虫と,娘バチが産んだ雄になる幼虫が育ちます。
10月… 雄バチが誕生します。そして,雌バチも誕生します。たいていの雌バチは,同じ巣に待っていた雄バチと交尾します。
    交尾を終えた雌バチは,次の年の巣作りと冬眠のために,養分を蓄えます。
    娘バチは次々に死んでしまいます。
11月… 雄バチは死んでしまいます。 
    巣はからっぽになり,捨てられます。
    雌バチは冬眠に入ります。来年の母親バチです。