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ナガサキアゲハ

2007年5月8日
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変なチョウがとまっていると思い,よく見ると,つながっている2頭のチョウでした。ナガサキアゲハです。

上が雌,下が雄です。雄はどの地域のものも黒一色ですが,雌は南にすむものほど白い部分が多くなります。

昭和31年(1956年)発行の北隆館「日本昆虫図鑑」には,ナガサキアゲハの生息地について次のように書いてありました。
『九州及び四国では平地より浅い山地にかけて比較的普通であるが,本州では極めて稀で山口県及び和歌山県で稀に採取される。』

その後,分布は拡大しており,保育社「原色日本蝶類生態図鑑(1)」(1982年)には,次のように書いてあります。
『九州では少なくとも明治時代にはかなり普遍的に分布していたらしい。分布の北上はおもに採集・目撃記録の急増という形でとらえられるが,それは1930年代に入って山口県や愛媛県で,1950年までには広島県,徳島県で,1960年代には淡路島,1970年代には岡山県で認められ,1980年には大阪府や和歌山県まで北上した。1982年春現在の兵庫県・大阪府付近における確実な定着地は西宮市・尼崎市で,大阪府豊能町初谷(山間部)でも何頭か記録されているが,まだ数は少ない。昭和初期(1930年代)の分散は一挙に栽培面積がふえたミカン類におうところが大きいと思われる面もあるが,最近の分布拡大はそれよりも蝶自体に問題があるとみられる。』

最近のナガサキアゲハの北上については,地球温暖化が原因ではないかと言われていますが,この頃は地球温暖化という視点はなかったようです。

その後も分布は北上し,1990年以降には京都でも確認されています。1997年には静岡県浜松市,2000年までに神奈川県,埼玉県内で目撃されているそうです。

それにしても,これほど急激に分布がひろがっているのは何か不気味なものを感じますね。

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