• ニイニイゼミ
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子どもたちがニイニイゼミを捕まえてきました。
玄関のすぐ前の道路にとまっていたそうです。

ニイニイゼミは梅雨明けに鳴きはじめ,8月中旬ごろまで鳴いています。
日本全国各地に分布し,夏空がひろがると一斉に鳴き始め,夏をしらせる使者です。
私にとっては,子どもの頃の夏休みの記憶と深く結びついて,懐かしいセミです。

保育社「原色日本昆虫図鑑(下)」には次のように書いてありました。
『日本では梅雨あけのころから現れ,6月下旬から9月上旬にかけてみられるが,7月中旬~8月中旬が最盛期である。「チィー………」と連続した声で1日中鳴き,曇天や雨にもあまり左右されない。各地の主に平地や市街地に普通であるが,山地の樹林やかなり高標高の山頂などでもときに鳴き声がきける。』

私が子どもの時分を過ごした福岡県の田舎では,もっとも多いのがニイニイゼミで,次に多いのがアブラゼミ,そして滅多にいなくて,捕るとうれしかったのがクマゼミ(ワシワシと言ってました)でした。

このあたりは山のせいか,ニイニイゼミの声はあまり聞きません。
鳴き声をよくきくセミは,ミンミンゼミとヒグラシです。

九条山ではもともと少ないのかもしれませんが,ネットではいろいろなページでニイニイゼミが減ったということが書かれています。

ニイニイゼミの減少について,1994年の誠文堂新社「カラーアルバム 昆虫 アブラゼミ ニイニイゼミ」に次のように書いてありました。

『最近20年ほどの間にこのセミが大変少なくなってしまった所があります。東京はその代表的な地域の1つでしょう。
初めのうち,それは天敵のオナガやヒヨドリが都心部に進出してきたせいではないかと考えられたりしましたが,これらの鳥はかかわりがあるとしても二次的な役割を演ずるにすぎないことがわかってきました。鳥たちはセミがたくさん鳴いているときはあまり攻撃せず,少ししか鳴いていないとき熱心に”セミ狩り”をするからです。一方で,同じ東京でもミンミンゼミのように増えているセミもいるのです。
都会では舗装がゆきわたり,地下水脈が荒らされ,乾燥化が進んでいるので,幼虫期に地下生活を送るセミの場合,もしそういう環境を好むセミと耐えられないセミがあるとすれば,明暗がはっきりしてしまうのは当然ともいえます。』