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カワウ

2008年2月27日
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動物園南の疎水。雪が降りしきるなか,水面から突き出た石の上でたたずむカワウです。
この場所に6羽いました。

2005年には同じ場所に19羽もいたことがあります。
近年カワウは増えすぎて,各地でいわゆる「カワウ問題」をひき起こしています。
平成19年には狩猟鳥に指定されています。

「山渓カラー名鑑 日本の野鳥」(1996年)には,カワウについて次のように書いてありました。

日本でもかつては本州各地で繁殖していたが,だんだん数が減り,1980年代には青森,東京,愛知,三重,大分など,わずか6府県のコロニーが残るだけとなった。青森県では夏鳥,他では留鳥である。

ウ類は先の曲がった長いくちばしと長い首を持つ大型の水鳥で,水かきを使い尾をかじにして巧みに潜水し,魚などの餌を捕える。カワウは内湾や湖沼に棲息し,その近くの林で集団繁殖する。巣は木の枝の上に小枝や枯れ草を使って皿型に作られ,古巣も修理してよく使われる。冬期も繁殖するのが特徴で,コロニーによって多少違うが,産卵期は11~6月の長期にわたる。卵数は3~4個,抱卵日数は25~28日位,巣立ちまでの日数は30~45日位である。カワウの繁殖地の中には,千葉県大厳寺のように天然記念物に指定されながら,放棄された所もある。その原因は,糞によって樹木が枯れるといったこともあるが,周辺の都市化による環境の悪化,採餌地の水質汚染といった人為的なことも見逃せない。

ここにはカワウが増えすぎているという記述は出てきません。
初版の出た1985年の段階では,まだ「カワウ問題」はおきていなかったようです。

カワウは,1960年代から1970年代にかけて急激に減少します。
水質汚濁や農薬による繁殖力の低下などが原因と考えられています。

その後水質改善などで餌となる魚が増えたことにより,1980年代後半から1990年代にかけて,各地で生息数が増えはじめます。

滋賀県竹生島では,戦後カワウの繁殖の記録がなかったものが,1983年に繁殖が確認され,1990年代になると爆発的に増加します。
2006年には約2万3千羽の生息が確認されています。

生息数が増えるにつて,種々の問題が発生しています。
「カワウ問題」といわれているものには,2つの面があるようです。

①巣作りによる枝折りやカワウの糞によって樹木の枯死が進行することによる,森林被害や景観被害
②水産資源を捕食することによって生ずる食害。(カワウの一日あたり捕食量は350g~500gと言われています。)

この場所にいる,同じように魚を食べコロニーを作るアオサギにも,社会問題とまではなっていませんが,地域によっては同じような問題が発生しています。

減ると貴重種扱いされますが,増えると邪魔者扱いされるのは,どんなものでも同じですね。
根本的な解決方法というものはなくて,全て「かねあい」でしょうか。

カワウは人の姿を見るとすぐに,水面を助走して飛び立ちます。
人の目を気にする,おどおどした姿が気の毒でなりません。

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