• ハナズオウ
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毎朝横を通るたびに,ハナズオウの花が豆へと変化してゆきます。

[写真4]つぼみ(2008年4月13日)
[写真3]花(2008年4月27日)
[写真2]子房がふくらみ始めた花(2008年5月2日)
[写真1]花弁がほとんど落ちた状態(2008年5月8日)

「朝日百科 植物の世界」でハナズオウの頁をみると,マメ科ではなくジャケツイバラ科になっていました。
同書のマメ科の分類についての解説を読んでみると,次のように書いてありました。

 このシリーズでは,クロンキストの分類体系に従い,マメ類を3科からなるマメ目としている。花弁よりも長い雄しべと雌しべをもつ放射相称花をつけるネムノキ科,旗弁(きべん)が内側にあるジャケツイバラ科,そして,蝶形花(ちょうけいか)をつけるマメ科だが,これらをそれぞれ亜科にして,マメ科にまとめることも多い。
 マメ科植物の祖先は,形のよく似たバラ目のマメモドキ科やクリソバラヌス科と共通すると考える研究者が多い。最近では,含有成分,胚(はい)発生,種子の特徴などからムクロジ目との関連も指摘されている。3科のなかでは,ジャケツイバラ科が最も原始的と考えられ,白亜紀(約1億4300万~6500万年前)後期の地層から花粉と木材の化石が発見されている。ネムノキ科植物の化石は白亜紀後期と第三紀(約6500万~170万年前)初期に,マメ科植物の化石はさらに新しい時期に現れる。マメ科もネムノキ科もジャケツイバラ科から進化したと考えられる。原始的な現生種スウァルトジア属Swartziaは,マメ科とジャケツイバラ科との中間に位置する。マメ目の祖先は,約9000万~7000万年前に現在の熱帯降雨林に似た環境のもとで生まれ,乾燥地や暖帯,温帯へと生育地を広げながら,それぞれの環境に適応して進化してきたのだろう。

たしかに花はマメ科の蝶形花とすこし異なります。
旗弁が翼弁より内側にあり,旗弁と翼弁が後方に反り返っています。

日本へは江戸時代に渡来し,文人好みとされていたそうです。
私は,花が枝や幹にへばり付いたように密集して咲いているので,もうすこし花柄が長ければきれいだろうにと思うのですが。