• コサギ
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動物園の南の疎水にいたコサギ。
この場所で一年を通してよく見かけるサギ類はアオサギです。コサギは今の時期にしか見かけません。

普段は水量が多くてコサギは水中を歩きまわることができません。
1~2月は堆積した砂の浚渫工事のため水量が減らされていて,コサギも歩き回って餌を採ることができます。

コサギはいわゆるシラサギです。
実はシラサギという名前の鳥はいなくて,コサギ,チュウサギ,ダイサギ,アマサギなど体が白いサギ類を総称してシラサギといいます。
シラサギ類の中でのコサギの特徴は,黒いくちばしと黄色い足指です。

この場所では足指の黄色はそんなに目立ちませんが,鴨川にいるコサギを見ていると,浅い水の流れに濡れた足指ははっとするくらい鮮やかな黄色をしていました。

山渓カラー名鑑「日本の野鳥」(1996年)にはコサギについて次のように書いてありました。

一年中くちばしが黒く,足指が黄色いシラサギ類。ユーラシア,アフリカ,オーストラリアの熱帯から温帯で繁殖し, 日本でも本州から九州までの各地に留鳥として繁殖し,多い。近年,分布を広げる傾向にあり,山間の盆地や北日本での観察例がふえてきている。冬期には一部の個体は南方へ渡る。

「一年中くちばしが黒い」というのは,チュウサギやダイサギは夏羽ではくちばしが黒いのですが,冬羽では黄色くなるためです。

コサギの足指がなぜ黄色いのかについてはわかりませんが,シラサギ類の体がなぜ白いのかについて,柴田佳秀著「鳥の雑学がよーくわかる本」(2006年)におもしろい話が載っていました。

では,シラサギはどうして集まってくるのでしょうか。実は,これが白い色と関係があるのです。実験で,白いスーパーのレジ袋に詰め物をして,棒で長い首と脚をつけて,田んぼの一角に立てておくと,その付近にシラサギが集まってくるそうです。このことから,シラサギは,白い色に集まるという習性があることがわかります。シラサギの白は,仲間を集合させる働きがあるのです。

ではなぜシラサギが集まるかというと,たくさん集まって集団で餌を採る方が,多くの食べ物を得ることができるからだそうです。

サギが歩くと,カエルが驚いてピヨンと跳びだしてきます。するとそれをまわりにいたサギが捕まえるのです。見ているとほかのサギもみんな,自分以外のサギが脅かして逃げたカエルを捕まえています。ということは,たくさんのサギがいたほうが,それだけ驚いて飛び出すカエルの数が多くなり,捕まえられる数も増すことになります。ようするに,たくさんのサギが集団で食べ物をとったほうが,多くの食べ物が得られるのです。