試しに少しだけ,オオシマザクラの実でジャムを作ってみました。
どうせ,たくさん作ってもあまり食べません。
オオシマザクラの実は,甘くて大粒です。
ヤマザクラの実の2~3倍の大きさがあります。
オオシマザクラは,花もヤマザクラの2倍くらいあります。
花が大きいと,実も大きくなるのでしょうか。
ということは,アメリカンチェリーの花は,ヤマザクラの10倍くらいある?
そんなことはないですよね (^_^;)
[写真3]は,アメリカンチェリー,オオシマザクラ,ヤマザクラの実と種を比べたものです。
実が大きいと,中の種も大きいことがわかります。
実は未熟なうちは緑色をしていて[写真5],次第に赤くなり,熟すると黒色になります[写真4]。
甘い実をつける植物は,甘い味で動物を誘い,実を食べた動物が種を含んだ排泄物を出すことにより,種を遠方へ散布するという戦略をとっています。
種が未熟なうちに食べられてしまうと,発芽することができません。
そのため,未熟なうちはまずく,熟するにしたがい色が変化して熟したことを教え,味もおいしくなります。
未熟なウメの実に毒があるのも,未熟なうちに動物に食べられないためだそうです。
サクランボを食べる動物というと,やはり鳥でしょうか。
鳥と日本産果実の大きさの関係について,中西弘樹著『種子はひろがる』には次のように書いてありました。
果実の縦の直径は多くが4~11mmの間にあり(82%),6~7mmのものが最も多く,横の直径は多くのものが4~10mmの間にあり(83%),7~8mmのものが最も多かった。日本産の果実食鳥の開けた時のくちばしの幅は知られていないが,それらの値よりやや大きいぐらいであろう。いずれにしても果実食鳥のくちばしの大きさと,食べられる果実の大きさの間には密接な関係があり,共進化的な意味がありそうである。
サクラの仲間の実が赤色から黒色に変わることについては,同書のなかに次のように書いてありました。
一方,サクラの仲間の果実は熟すにつれて赤くなるが,最後には黒くなる。かたまってなる多くの果実の中て熟す時期は少しずつずれているので,赤色のいくつかの果実の中に黒の果実が点々と見えたり,その逆の状態にもなる。つまり全体として赤と黒のまだら模様になり,より目立った状態が生ずる。このような状態を作り出す植物には,他にゴマキ,ヤマシグレなどがある。これらは目立つた付属器官こそ作らないが,「二色効果」を演じていると考えられる。
ジャムの作り方。
基本的には,鍋に実を入れ,グラニュー糖をふりかけ,1時間ほど置く。水分が出てきたら,少し煮る。甘さを調整し,レモン汁を加えて完成。
でもサクランボには種があります。
どうしようかと思案した末,煮る前に,地道に1個ずつ実を潰して種を取り出すことにしました。
これはかなり面倒です。
少しの量ならよいのですが,たくさんの量を作る場合は何か別の方法を考えた方がよいかもしれません。(指も紫色になりますし…)
完成したジャムは,レモン汁を入れすぎたせいか少し酸っぱかったですが,なかなかおいしいものでした。
色,味ともブルーベリージャムの感じに似ています。
翌朝,家族みんなのヨーグルトに入れて食べました。