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ホテイアオイ

2009年10月6日
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〔↑ 写真をクリックすると,大きなサイズになります。〕
動物園南の疎水で,ホテイアオイに花が咲いていました。[写真1][写真2]
花が咲いて初めて,ホテイアオイが増殖中であることに気がつきました。
今まではこの場所で,こんなに繁茂していませんでした。

[写真6]は,今年5月の同じ場所の状況。
ホテイアオイの青々とした姿は見あたりません。
しかし,よく見ると水面にたくさんの小さな浮草が。
これがホテイアオイでしょうか。

ホテイアオイは,あらゆる維管束植物のなかでもっとも成長が早い種といわれ,世界各地で生態系を破壊する侵略的外来種とされています。
もともとの原産地はブラジルを中心とする南アメリカとされていますが,いまや世界中に分布しています。

『朝日百科 植物の世界』(1997年)には,次のように書いてありました。

ホテイアオイ Eichhornia crassipesは,南アメリカ原産の多年生の浮遊植物である。1824年にブラジルで発見されてから今曰までに,北緯40度から南緯45度までの5大陸50カ国以上に分布圏を広げた。伝播経路は観賞用としての導入が主で,19世紀末から20世紀初頭に隆盛した。曰本への渡来も明治年間で,現在,東北地方以南の富栄養化の進んだ水域に群生している。水生植物で唯一,世界十大害草として,「青い悪魔(blue devil)」の名で恐れられている。しかし,富栄養化の進んだ水系に好んで繁茂する特性から,水質浄化に利用され,有用草としての-面ももっている。

英名でwater hyacinth(ウォーターヒヤシンス)というように,ヒヤシンスに似た美しい花を咲かせます。
和名のホテイアオイは,葉柄の中央がふくれていて,布袋様の腹を連想させるところからきています。[写真3]
ふくれた部分は多胞質で浮袋の役割を果たしています。
地上に植えるとやせて,ふくらみは目立たなくなるそうです。

アオイの名は,同じ仲間のミズアオイからきているのでしょうか。
ミズアオイのアオイは,葉の形がアオイ(葵)に似ていることからきていますが,ホテイアオイの葉がアオイに似ているかどうかは微妙です。
葵の葉といえば,徳川家の紋「三つ葉葵」のそれです。

池田清彦著『外来生物事典』(2006年)には,ホテイアオイについて次のように書いてありました。

1884年(明治17),アメリカに旅行した日本人が観賞用に持ち帰ったものが逸出,野生化して,大正時代初期に九州で大繁殖した。江戸時代にすでに移入されていたという説もある。現在は東北以南から沖縄県に広く分布している。耐寒性が低く,北海道では夏の間は生育可能だが,越冬できない。東北以南では,越冬株の刈り取りが行われている。

国際自然保護連合(IUCN)は,単独で緩流域や止水域の水面を覆い隠し,水中の溶解酸素濃度の低下,水質の変化,有機沈殿物の増加をもたらし,生態系を激変させて在来の水生生物・植物を危機にさらすとして,ホテイアオイを「世界の侵略的外来種ワースト100」に指定している。
.・美しい悪魔 悪魔のごとき嫌われものだが姿は美しいので「ビューティフル・デビル」,駆除に億単位の金がかかるので「100万ドルの雑草」などの通称も。

私が小学生の頃には,水質浄化に役立つという面が強調されていたような気がします。
クラスにある金魚の水槽に,浮かべてあった記憶があります。
その時には,こんなきれいな花が咲くとは知りませんでしたし,ましてや「ビューティフル・デビル」だとは思いもしませんでした。

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(2015年7月23日 追記)
[写真4]と[写真6]は,ヒシでした。→2015年7月23日

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