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タラヨウ

2009年12月24日
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厳しい寒さのなか,タラヨウが青々とした葉を茂らせていました。
厚い革質の葉で,大きくしっかりしています。
葉の長さは15cm前後あります。
[写真1]左が表,右が裏面。

葉の縁には,かなり鋭い鋸歯があります。[写真2]
この鋸歯をのこぎりの歯に見立てて,「鋸柴」の別名もあります。

今の時期,ぎっしりと赤い実をつけている株がある一方,全く実をつけていない株もあります。
タラヨウは雌雄異株で,雌株にしか実をつけないのですね。[写真3]

タラヨウの大きな特徴は,葉の裏面を尖ったもので引っ掻くと,跡が黒く変色することです。
[写真4]のように,字を書くこともできます。

引っ掻いた跡が黒くなるのは,酸化酵素の作用で酸素がタンニンに働き,色素を生ずるためだそうです。

『朝日百科 植物の世界』(1997年)には,タラヨウについて次のように書いてありました。

寺院に植えられることの多いタラヨウI.Latifolia は高さ20メートル、幹の直径60センチにも達する常緑高木である。葉は厚い革質で大きく、長さ10~17センチ、幅4~7センチ、葉の裏に細い棒を使って絵や文字を書くと、その部分が黒く浮き上がってくるので、エカキシバ、ジカキシバという別名もある。「多羅葉」という名は、この特徴をインドで葉に経を書いたという貝多羅樹(ばいたらじゅ ウチワヤシ Borassus flabellifer )になぞらえてつけられた。赤い小さな果実が群がってつき、庭園樹として植栽される。静岡県以西の本州、四国、九州および中国東部に分布する。

『牧野新日本植物図鑑』(1970年)には,「たらよう(もんつきしば,のこぎりしば)」の見出しで,次のように書いてありました。

近畿地方以西の本州,四国,九州など暖地の山地にはえるが多くは庭園に栽培される常緑高木.高さは10m位にもなる. 互生の葉は大形で短かい柄と一緒にすると長さ20cm以上にもなる. 形は長楕円形で先端が尖り,辺に細かく鋭いきょ歯をもつ. 厚質で硬く革質をしていて表面は平らで滑らかで光沢がある. 支脈は主脈の両側に各々6~ 16本ある. 春から夏にかけて葉腋に短かい集散花序をつけ多くの花を密につける.花は黄緑色でがくは4裂し, 4個の花弁をもつ. 雄花には4本の雄しべがある. 両性花はやや短かい4本の雄しべと卵状の子房をもつ 核果は球形で集ってつき紅色となる. 〔日本名〕多羅葉. 葉面を火であぶると黒い環が現われ,また傷つけると傷痕が黒くなるので, この式で文字を書くことができる. それを経文を葉に傷つけて書く多羅樹(Borassusflabelliformis Murr. やし科)の葉にたとえて名付けたもの. 紋付柴も上記の性質による.鋸柴は硬いきよ歯があるからである。

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