• オオバベニガシワ
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オオバベニガシワの若葉と花。

若葉は美しい紅色をしていますが,だんだん紅色はうすれ緑色に変わってゆきます。[写真1]

雌雄同株で,雄花と雌花があります。
毎年見ていると,雄花が先に咲き,少し遅れて雌花が咲くようです。

雄花も雌花も花びらがないので,花らしくありません。。
特に雄花は,小さな花が集まり球状になって枝にくっついているので,つい,何だろうと見入ってしまいます。[写真2]
雄しべが反り返って開いている様子は,まるでイイダコの足ですね。[写真3]

雌花にも花びらはなく,赤い糸状の柱頭が触手のように伸びています。[写真4][写真5]
この形を見て思ったのですが,柱頭が色んな方向を向いているのは,風に流されてくる花粉をキャッチするためかもしれません。
オオバベニガシワが風媒花かどうかはわかりませんが,よく似た花のカシワは風媒花です。[写真6]

『牧野新日本植物図鑑』(1970年)には,オオバベニガシワについて次のように書いてありました。

 支那東南部の原産で,時に庭園に栽培される落葉低木。雌雄同株であるが時に異株の場合もある。高さは1~3m。枝はまばらでやや太く,葉は互生している。葉柄は長い。わか葉は暗紅色で春は特にめだちが美しい。成葉は大きな円形で短かく鋭く尖り,基部はかすかに凹んでいるかまたは多少広い心臓形をしていて,葉辺には浅いきょ歯がある。葉質はうすく,表面は緑色,裏面は白緑色で脈は細脈にいたるまで突出しており,脈上に細かい毛がある。葉柄が葉に接するところに細かい毛のはえた2個の針状突起があり,基部には針状の托葉がある。雄花序は前年の枝の葉腋から出て短かく,新しい葉に先立って開く。花は白く,車状にならんだ雄しべは通常8個である。雌花には赤い角(ツノ)状の柱頭が美くしい。〔日本名〕大葉紅槲。大きな葉が赤いのでベニガシワといった。

  • [写真1]オオバベニガシワの若葉
    2010年4月6日  »»拡大
  • [写真2]オオバベニガシワの雄花
    2010年4月6日  »»拡大
  • [写真3]オオバベニガシワの雄花
    2010年4月6日  »»拡大
  • [写真4]オオバベニガシワの雌花
    2010年4月13日  »»拡大
  • [写真5]オオバベニガシワの雌花
    2010年4月20日  »»拡大
  • [写真6]カシワの雌花
    2007年3月20日  »»拡大