• アカエグリバ
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  • アケビコノハ
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前を通り過ぎようとして,おっと騙されないぞ,と思いました。
塀に,小さな枯葉そっくりなガがとまっています。[写真3]

枯葉にそっくりなガといえばアケビコノハ[写真4](→2009年12月18日)ですが,それよりはずっと小さくて半分ほどの大きさです。
枯葉に似てる度からいえば,こちらの方が上のような気がします。
頭部にも翅と一体化した模様があり,細工が細かいですね。[写真2]
アケビコノハは頭部に独特の角のようなものがあり,似てる度を下げています。

ガの名前を図鑑で調べるのは,素人にとっては非常に難しいです。
図鑑の写真は翅をひろげてあるので,翅をたたんでとまっている状態のものとは似ても似つきません。

標本を撮影するので,どうしても展翅した状態のものになるのは仕方がないのかもしれません。
でも,デジカメで簡単に虫の写真が撮れるようになって,写真をもとに名前を調べようとする人も多いと思います。
自然な生きている姿の写真が載った図鑑も必要なのではないでしょうか。

図鑑より頼りになるのはネット検索です。
「枯葉 ガ」で画像検索すると,似たものがありました。
「アカエグリバ」というヤガのなかまです。

エグリバ類という,虫に食われた「えぐれた葉」に擬態しているガのグループがあり,その中で赤い色をしているので「アカエグリバ」。
赤色というより褐色ですが。

写真を見ていると,テリのある質感と形が,バイオリンを連想させます。
半分だけのバイオリン。

擬態している虫は,人が近づいても,じっとしているのが一番とばかりに動かないものが多いのですが,しつこく写真を撮っていると翅をふるわせだしました。[写真5]
威嚇しているのか,飛ぼうとしているけれど体が温まっていないだけなのかわかりませんが,しばらく翅をふるわせた後,飛んでゆきました。