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ナラ枯れ

2010年9月21日
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2010年9月14日の京都新聞に「『ナラ枯れ』,京の山で深刻化」という特集記事が載っていました。
それによると,全国各地でひろがる「ナラ枯れ」が京都市内の山にもひろまり,夏なのに大文字山が真っ赤に染まったというのです。

この記事により,今まで疑問に思っていたことが,2つ解けました。

1つは,数年前から東山の山並みのところどころに見える,紅葉したような赤い葉を茂らせていた木の名前。
夏に紅い葉を茂らせる,そういう木だと思い,図鑑をいろいろ調べたのですが,分かりませんでした。
コナラの葉が枯れて,紅葉のように見えていたのですね。

2つ目は,最近,近所のコナラの樹幹にビニールシートが巻きつけられていた理由。[写真2]
冬のコモ巻きならわかるのですが,ビニールシートが巻きつけられているのが不思議でした。
これは,虫の侵入を防ぐためだったのです。

[写真1]は岡崎から見た大文字山。
本当にモミジが紅葉したようになっています。
東山のなかでも,特に大文字山周辺がひどい状態です。

 京都府内では1993年,府北部で初めて被害が確認され,京都市内では2005年に発覚した。最初は,東山区の国有林で約100本が枯れているのが見つかり,その後急拡大し,左京区の吉田山や伏見区の稲荷山,南丹市美山町の京都大芦生研究林などに及んでいる。
 被害木は昨年4千本だったが,今年8月末に京都府などがヘリを使って調査した結果,1万5千本から2万本に達していた。被害地域は,昨年度までに長岡京市や宇治市など,府南部を含む14市町に広がった。

ナラ枯れのメカニズムについては,次のように書いてありました。

体長4.5ミリ前後のカシノナガキクイムシ(カシナガ)が夏ごろ,コナラやミズナラなどの幹に穴を開けて病原性のカビ菌を持ち込む。カシナガは直径約10センチ以上,樹齢40~70年の大木を好む。集合フェロモンを出し,仲間を大量に呼び寄せる。菌に感染した木は,水分を吸い上げられるのを阻害され,7月中旬から9月にかけて紅葉し枯死する。冬の間に木の中で大繁殖したカシナガの新成虫は翌年6~9月に脱出し,再び新しいナラに飛来する。

防除方法について,初期段階では枯死木を徹底的に伐採し薬剤処理することが有効だが,繁殖しすぎた現状では手がつけられない状態になっていると書いてあります。

では,どうすればよいのか。2次被害を防ぐため,倒木で人に危険が及ぶ可能性の高い人家や登山道に近い場所,景観的に重要な場所を優先的に伐採することを小林研究員は提案する。さらに,特に保護したい木は,カシナガの侵入を防ぐためにシートで樹幹を覆ったり,殺菌剤を注入するなどの対覚を講じるよう訴える。

[写真2]は,樹幹をシートで覆われたコナラ(2010年8月11日)。

カシナガ被害木の特徴は,多数の穿孔と,地際部にフラス (木屑と昆虫の糞の混合物)があることだそうです。
[写真3]は,2007年9月7日,南禅寺鐘撞堂のすぐ横にあるコナラの根元にあったフラスと思われるもの。
何か所もから,傷口から血を流すように樹液が流れ出ていて,痛々しい姿でした。
[写真4]は,同木の今の状況。
殺菌剤が注入されたのか,枝がはらわれ,元気を回復しそうな感じです。

2009年4月8日の京都新聞にも「京の借景,害虫被害で危機」という記事が出ていました。
東山で広葉樹が次々に枯れているという記事ですが,その対策としてつまようじを使う駆除法が紹介されています。

つまようじを使った駆除法を試みた。2年間で2万6千個の虫の穴を手作業でふさいだ結果,08年には新たに121本が被害を受けたが,枯死は3本にとどまった。
この駆除法は,伐採や薬剤散布に頼らず環境にも優しい。

[写真5]は,2008年1月8日,コナラの樹幹にさされていたプラスチックの棒。
多分,つまようじの代わりにカシナガの侵入孔を塞いでいるものだと思います。

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