• サギ
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動物園南の疎水に,珍しくダイサギがいました。
この場所で見かけるサギ類は,普段はほとんどアオサギです。
アオサギを見慣れた目には,ダイサギの白い姿態がまばゆく感じられますね。

しかしもう少しすると,この場所でもダイサギの姿を頻繁に見かけるようになります。
冬鳥としてやってくるというのではなくて,1月,2月になると疏水の水位が下がるためです。
浅くなり水の中を歩き回れるようになると,ダイサギやコサギといった普段とは違う鳥たちがやってきます。

このあたりには白川が注ぎ込んでおり,流れ込んだ白川砂が厚く堆積しています。
白川の名は川底に堆積した砂が白く見えることに由来するように,上流から風化した花こう岩が砂となって大量に運ばれてくるのです。
1年に1回,1月から2月にかけて,水位を下げて,ブルドーザーで砂が取り除かれます。
(一旦疎水と合流した白川は,400mほど西の,平安神宮大鳥居の南あたりで疎水と分かれ,再び白川となります。この流れが祇園へと続いています。)

[写真3]は,水位が下がっている時の様子。
左がダイサギ,右がコサギです。

ダイサギ,コサギはいわゆるシラサギの一種です。
シラサギは白いサギの総称で,大きさによってダイサギ,チュウサギ,コサギに分けられます。

「第4回自然環境保全基礎調査 鳥類の集団繁殖地及び集団ねぐらの全国分布調査」に掲載されていた,3種の形態と特徴は次のとおりです。

  ダイサギ チュウサギ コサギ
全長 90cm 70cm 60cm
体重 930g 540g 420g
くちばしの色 黄(黒) 黄(黒) 黄(黒)
目先の色 緑(青緑) 黄(青緑)
虹彩 暗黄 暗黄
特徴 繁殖期には肩や胸に飾り羽が伸びる。白いサギのなかで最大の大きさである。 繁殖期には肩や胸に飾り羽が伸びる。コサギに比べて体はやや大きく,くちばしは短く,頭は丸くずんぐりしている。 繁殖期には後頭部から数本の飾り羽が伸び,背や胸にも飾り羽がはえる。

( )は繁殖期
ダイサギとチュウサギは紛らわしいですが,チュウサギは京都府へは夏鳥としてやってくるそうなので,今回のサギがチュウサギであるということはないと思います。
『山渓カラー名鑑 日本の野鳥』(1996年)には,ダイサギについて次のように書いてありました。

くちばしと首がひときわ長い大きなシラサギ類。世界中の熱帯から温帯で広く繁殖する。日本では関東地方から九州までの各地で繁殖し,冬は大部分が南方へ移動する。また体の大きい別亜種が冬鳥として渡来し,本州以南で越冬する。
生活 川,池沼,干潟などで生活し,水の中をゆっくり歩いて餌を探す。コサギなどより脚が長いので,より深い水の中を餌場として利用することができる。餌を見つけると,S字形に曲げた首を瞬間的に伸ばして,くちばしではさみとる。魚が大きいと鋭く尖ったくちばしで突き刺して捕えることが多い。

見分け方 大形で首が長い。夏羽のくちばしは黒く,目先は繰青色。冬羽では,くちばしは黄色い。