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ヒラアシキバチ

2011年10月5日
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歩道に,見慣れないハチが死んでいました。
踏まれて,頭部のあたりが少しつぶれています。

黄色に黒の縞模様は,スズメバチそっくりです。
スズメバチにしては細長い体ですが,女王バチかなと思っていました。
繁殖能力を失った女王バチが,巣から追い出され,力尽きてしまったのかなと。

しかし女王バチではありませんでした。
ミツバチの女王バチは腹部が長く大きく変化していますが,スズメバチの女王バチは働きバチより体は大きいものの,形態的には変化はないそうです。

腹が寸胴で,スズメバチに擬態しているハチ。
図鑑をめくっていると,このハチはキバチの一種,ヒラアシキバチのようです。

キバチは「木蜂」で,木の中に産卵し,幼虫は材を食べて成長します。
平凡社『世界大百科事典』(2005年)には,キバチについて次のように書いてありました。

膜翅目キパチ科Siricidaeに属する昆虫の総称で,成虫は5~10月に出現する。ほぼ円筒形で細長く,雌の尾端に太い1本のとげがあり,強固な長い産卵管をもつ。雌はこの産卵管を木の中に深く刺し込んで産卵する。このとき,木材腐朽菌の胞子を卵とともに材中に植えつけるので大きな害を与えるといわれている。一般に林業の重要害虫として知られているが,庭園樹を加害することもあり,ときには鉛管を穿孔(せんこう)して通信事業に二次的な被害を与えることもある。

[写真3]は,産卵管です。
かなり頑丈そうな硬い管です。
ハチの毒針は産卵管の変化したものなので,産卵という本来の目的に使用される産卵管は,刺すという目的に使われることはありません。

しかしスズメバチそっくりの姿をして,この太い針を見ると,刺さないとわかっていても,生きているヒラアシキバチを手でつかむのは躊躇してしまいますね。

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