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クビキリギス

2012年3月15日

3月8日に捕まえたクビキリギスを,スキャナーで撮影してみました。
外見からはわかりませんでしたが,翅をめくると,腹端に剣状をした長い産卵管をもっています。
日本直翅類学会編『バッタ・コオロギ・キリギリス大図鑑』 (2006年)によると,この産卵管をイネ科植物の茎に突き刺して卵を産み込むそうです。
今まで,キリギリスのように土に差し込んで産卵するとばかり思っていました。

水田の土手,草地,堤防などの比較的面積のある草原で,耳によく通るかなり大きな鋭い声でジーー……またはビーー……と長く連続して鳴く。イネ科草本の茎と葉鞘の間に弾丸型の卵を産み込む。河原などのまばらなススキの大きな切り株でよく越冬している。早春や晩秋に忽然と街中にあらわれることがある。本土では秋遅くに羽化し,成虫越冬するが,早熟な新成虫の繁殖によって生まれた次世代の幼虫が越冬することもある。早春から出現し,春~初夏によく鳴き, 7月まで活動する。春には日中でも鳴き声が聴かれ,10~11月にも鳴いていることがある。

冬には成虫が死に絶えるキリギリスと異なり,クビキリギスは成虫越冬します。
そのため,「早春や晩秋に忽然と街中にあらわれることがある」のでしょうね。
2月に見かけた個体

クビキリギスの語源について,平凡社『世界大百科事典』(2005年)には,次のように書いてありました。

子どもはこの虫をとらえ,着物などにかみつかせて遊ぶ。かみついたとき引っぱると,首がちぎれても離さないところから,〈クビキリ〉の名がでた。

「ギス」はキリギリスの異名なので,「クビキリギス」は「首切りキリギリス」の意ということになります。
また「キリギリス」の名は,鳴き声からきています。
小学館『日本国語大辞典』(1980年)には,キリギリスの語源説として次のように書いてありました。

(1)鳴き声から〔言元梯・名言通・紫門和語類集・音幻論=幸田露伴]。また,スは虫,鳥につける語〔大言海〕。
(2)ツヅリサセサセと鳴くところから,キレギレ(布布)の義か。スはスダクの下略か〔和句解〕。

もっとも,「チョン,ギース」となくキリギリスと異なり,クビキリギスは「ジーーー」という連続音で鳴きますが。

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