小さな川の両岸に分かれて,見つめあうマガモのカップル。[写真3]
光沢のある緑色の頭をした方がオス[写真2],カルガモのような地味な体色をした方がメス[写真1]です。

どういう訳か,昨日の朝もまったく同じ場所にいました。
ジョギングのコースなので,心もち遠慮しながらもオスの脇を走り抜けると,逃げるかなと思ったのですが,少しおどおどとその場で足踏みするだけで,逃げることはありませんでした。
普通,野生の鳥ならば人が近づけば逃げるものだと思うのですが,岡崎界隈のマガモは妙に人に慣れていて,ひょっとしたらマガモではなくてアイガモなのかなと疑惑をいだかせます。
2007年8月3日

『山渓カラー名鑑 日本の野鳥』(1996年)には,マガモについて次のように書いてありました。

オスでは緑色の頭と黄色いくちばしが目立つ淡水ガモ類(マガモ属のカモ)。北半球の温帯から亜寒帯で広く繁殖する種で,日本には主に冬鳥として多数が渡来し,各地で越冬する。本州の山地や北海道では繁殖するものもある。家禽としてよく飼育されるアヒルの原種である。アヒルはしばしば野生状態で生活しており,そうした個体はナキアヒル,アイガモなどと呼ばれ,繁殖するものもある。野生のマガモと区別できないことも多い。ナキアヒルとカルガモの交雑例も報告されている。

「アヒルはしばしば野生状態で生活しており,そうした個体はナキアヒル,アイガモなどと呼ばれ,繁殖するものもある。野生のマガモと区別できないことも多い。」と書いてあります。どうなのでしょうか。

マガモのオスは,メスが卵を抱えている間につがいを解消して,雄同士で群れをつくり,換羽します。
1ヶ月ほどで風切羽まですべて抜け変わるので,その時期飛ぶことができません。
カモ類のオスの非繁殖羽は大変地味で,エクリプス(日食,月食の意)といわれています。
[写真6]は,8月に撮ったオスのマガモ。
体色はメスに似ていますが,くちばしはそのままなので見分けることができます。

マガモのくちばしについて,ネットに面白い話題が載っていました。
マガモのオスのくちばしが,犬に見えるというのです。
そう言われて見ると,先端の黒くなっている部分が犬の鼻に,鼻孔が切れ長の目に,付け根が耳に見えます。[写真5]
黄色くて細長い顔は,犬というより絵本にでてくる典型的なキツネの顔ですね。

一旦そう思ってしまうと,[写真4]や[写真6]もくちばしが顔に見えてしまいます。