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カミキリムシ3種

2012年7月4日
  • ベニカミキリ
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    [写真1]ベニカミキリ♀
  • ベニカミキリ
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    [写真2]ベニカミキリ♀
  • ソボリンゴカミキリ
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    [写真3]ソボリンゴカミキリ
  • ソボリンゴカミキリ
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    [写真4]ソボリンゴカミキリ
  • ニイジマトラカミキリ
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    [写真5]ニイジマトラカミキリ
  • ニイジマトラカミキリ
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    [写真6]ニイジマトラカミキリ

カミキリムシ3種,ベニカミキリ,ソボリンゴカミキリ,ニイジマトラカミキリ。
いずれも6月中旬に,自宅周りにいたカミキリムシです。
画像がたまる一方なので,ひとまとめにアップします。

岡崎の図書館に『日本産カミキリムシ検索図説』(東海大学出版会・1992年)という本がありました。
日本産カミキリムシを成虫,幼虫,蛹の特徴から同定できる図鑑で,詳細な検索図がついています。
これでカミキリムシの同定は案外簡単かもと安易に思ってしまったのですが,やはりそんなに甘いものではありませでした。
順番に検索図をたどってゆくには,かなり専門的知識が必要です。
結局,ベニカミキリのなかま,トラカミキリのなかまなどとだいたいの見当を付けてから,該当の箇所を見るという使い方をしました。

●ベニカミキリ[写真1][写真2]
ベニカミキリ属は日本には3種が記録されており,最も普通種なのが,このベニカミキリです。
前書には次のように書いてありました。

体長12.5- 17mm。前種(ヘリグロベニカミキリ)に似ているが,上翅は通常は無紋,前胸背板は中央後方のみ隆起し,背面に黄褐色の長毛を極めてまばらに持つ。成虫は,カエデ類やクリなどの花上から採集される。本属のなかでは最優勢種で,平地から低山地のモウソウチクの枯死材の寄生率は極めて高いが,野外で成虫をみかけることは意外に少ない。 【成虫出現期】 4-5月。 【寄主植物】モウソウチク,マダケなど。

竹材害虫だそうで,この個体もモウソウチクを使った竹垣の上を動き回っていました。
ベニカミキリの雌雄は,触角の長さで判別するそうです。
雌の触角は体長とほぼ同じ,雄の触角は体長の1.5倍ほどになります。
この個体の触角は体長と同じくらいなので,雌ですね。

●ソボリンゴカミキリ[写真3][写真4]
ヒメリンゴカミキリとよく似ていて,かなり迷いました。
検索図では,ヒメリンゴカミキリが「上翅は灰橙色で端部は黒色」,ソボリンゴカミキリが「前胸背板はまばらに浅く点刻され光沢がある。上翅側縁の黒色状は僅かに肩にとどかない。」となっていますが,実物を見ても何とも微妙です。

前書には,ソボリンゴカミキリについて,次のように書いてありました。

体長17.5 – 21.5mm。前種(リンゴカミキリ)および前々種(ヒメリンゴカミキリ)に似るが体は細く,前胸背板は浅くまばらに点刻され,鈍いが光沢があり,上翅の点刻は小さく,側線部の黒色部が肩部内側にのびる。上翅基部の燈黄色紋は後方にのび,その境は不明瞭。腹部は雌雄とも第5節(基部を除く)が黒色のほかは燈黄色。触角は雌雄とも翅端部にとどかない。成虫は前種より高標高地に出現しツツジ類の生薬を後食する。九州地方では,ミヤマキリシマの害虫として重要視されている。 【成虫出現期】 6-7月。 【寄主植物】ミヤマキリシマ,シヤクナゲなどのツツジ類の生木の細枝,幼木の場合は主幹部。

次の点で,この個体はソボリンゴカミキリと同定しました。
①体長は,ヒメリンゴカミキリが「13.0 – 16.5mm」なのに対して,ソボリンゴカミキリは「17.7 – 21.5mm」。
この個体の体長は20mmなので,ソボリンゴカミキリに該当。
②触角は,ヒメリンゴカミキリが「雌雄とも翅端部をこす」のに対して,ソボリンゴカミキリは「雌雄とも翅端部にとどかない」。
この個体の触角は体長より短いので,ソボリンゴカミキリに該当。

●ニイジマトラカミキリ[写真5][写真6]
トラカミキリはたくさんの種類がいて,みな虎模様でよく似ています。
胸に黄色い線があるものを目印に,絵合わせて捜してゆくと,ニイジマトラカミキリに行き着きました。

前書には,ニイジマトラカミイリについて,次のように書いてあります。

体長7 – 13.5mm。体背面の斑紋パタンは前種(キジマトラカミキリ)にやや似るが,形態差は大きい。前胸背板は幅より僅かに長いか縦横同長,側方には張り出さない,黒色で前後縁と中央に黄色微毛帯を持つ。上翅は細長く,両側ほぼ平行,黒色で4本の黄色微毛帯を持つが,最後の帯は翅端部に接する。前頭縦稜はないが,触角付着部の内側に短い稜を持つ。触角は細く,雄で上翅基部1/3に達する。肢は長く,後腿節は先端1/3で上翅端をこす。成虫は,広葉樹の薪や伐採木に集まり,まれに訪花する。低山地から山地にかけて普通のトラカミキリである。 【成虫出現期】6-8月。 【寄主植物】カエデ類,リョウプなど。

その他の特徴を見ても,ニイジマトラカミキリに間違いないようです。
「低山地から山地にかけて普通のトラカミキリ」だそうですが,名前の前についてる「ニイジマ」が気になりますね。
「ニイジマ」は 新島善直博士への献名だそうです。

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