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キアシオナガトガリヒメバチ

2012年7月11日

夜,どこからかハチが入り込んで,部屋の中を飛び回っています。
人を刺すような危険なハチには見えないので,しばらく放っておいたのですが,あまりに長時間飛び回っているので,捕まえました。

「キアシオナガトガリヒメバチ」ではないかと思いますが,確かではありません。
ヒメバチ科は世界に6万種いるといわれている,非常に大きなグループです。
現在,日本でも1500種ほど確認されているそうで,素人が簡単に同定できるものではないようです。

『新訂 原色昆虫図鑑』(保育社・2007年)には,キアシオナガトガリヒメバチについて,次のように書いてありました。

体長17mm内外。 ♀。体黒色。複眼の内側縁に沿った細帯,頭盾中央の小紋,前胸背板の前縁中央と後部上方の小紋,肩板,小盾板,後小盾板,前伸腹節上のU状の大紋,腹部第1背板の後縁は黄色。触角は中央に黄色の輪を有し,基部数節は下面で黄色を帯びる。脚は黄褐~赤褐色。各基節と転節の一部,後脚腿節と脛節の末端,各付節末端節の大部分は黒褐~黒色。翅は黄色を帯びる。大顎は先端に向かって細まり,一見単歯状。前伸腹節は2本の横に走る隆起を有し,その後方の隆起は中央で前方に向かって彎曲している。オオフタオビドロバチ,フタスジスズバチに寄生する。分布:本州・四国・九州・千島;朝鮮半島・中国。

特徴を一つずつ確かめてみました。

・体長17mm内外
体長を実測して見ると,ぴったり17mmでした。[写真2]

・複眼の内側縁に沿った細帯
複眼の内側縁に沿って,黄色い帯があります。[写真3]

・頭盾中央の小紋
頭盾(とうじゅん)とは,ハチを正面から見たときに,鼻にあたる部分です。
頭盾中央に黄色い模様があります。[写真3]

・前胸背板の前縁中央と後部上方の小紋
「前胸背板の前縁中央」と思われる箇所に黄色い模様があります。[写真4]
「後部上方」がどこを指すのかは,分かりませんでした。

・肩板,小盾板,後小盾板,前伸腹節上のU状の大紋
それぞれ該当する箇所に黄色い模様があります。[写真5]

・腹部第1背板の後縁は黄色
[写真6]を見ると,背板ではなく腹板が黄色いように見えますが,実物を確認すると,背板の縁が黄色くなっていました。

・触角は中央に黄色の輪を有し,基部数節は下面で黄色を帯びる
触角の途中にある黄色い部分は,長さの割合で見た場合,中央ではなく,上部1/3のあたりにあります。[写真7]
しかし節の数でみると,ほぼ中央にあたります。
「基部数節は下面で黄色を帯びる」については,確認できませんでした。

・脚は黄褐~赤褐色
基本的に脚は黄色です。[写真6]
名前の「キアシ」は,ここからきているようです。

・各基節と転節の一部,後脚腿節と脛節の末端,各付節末端節の大部分は黒褐~黒色
それぞれ該当する箇所が黒くなっています。[写真6]

・翅は黄色を帯びる
翅はうす褐色をしています。
「黄色を帯びる」とは「透明でない」ことをいっているのかもしれません。

・大顎は先端に向かって細まり,一見単歯状
ヒメバチのなかまは通常,大顎の先端は2歯を持つ(2つに割れている)そうです。
「一見単歯状」とは,大顎の先端が割れていないようにみえるということだと思います。
[写真3]を見ると,確かにそう見えます。

・前伸腹節は2本の横に走る隆起を有し,その後方の隆起は中央で前方に向かって彎曲している
一読しただけでは何のことかわかりませんでしたが,「前伸腹節」を見ながら,じっくりと読み解いてゆくと,言わんとすることがわかりました。
確かにそうなっています。[写真5]

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