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クリの実のイガ

2012年7月15日

今朝がた降った強い雨のせいでしょうか,クリの実が落ちていました。
手にとると,イガはまだ柔らかくて,幼い感じがします。[写真1]
触っても,全然痛くありません。

イガの中には,雌花の痕跡が突起状になって残っています。
半分に切断して,中を見てみました。[写真2]
黒く変色した,虫食い穴があいています。
虫はすでに脱出したのか,見当たりませんでした。

まだ小さいものの,食用になる子葉の部分が肥大し始めています。
クリのイガの中には,通常3個の実が入っています。
イガが一個の果実で,その中に3個の種子が入っているように見えますが,イガの中にあるクリの実一つひとつが,種子ではなく果実です。(渋皮が種皮にあたります)
食用にしている,クリの実の白い部分は,肥大した子葉にあたります。

クリの雌花は,3個が集まって鱗片のある総包につつまれています。[写真3]
(→2012年6月12日「クリの花」
総包の中には,3個の雌花に対応した3個の子房があり,それぞれが大きくなってクリの実(果実)になります。
子房を包んでいる総包は,[写真3]~[写真5]の様に,外側を覆った鱗片がしだいに刺に変化してゆき,イガとなります。

ここで[写真1]~[写真7]を見ていて気づいたことがあります。
雌花は無柄[写真3]なのに,クリの実に柄がある[写真1]理由です。

クリの雌花は,[写真4]のように雄花序のつけ根に咲きます。
受粉の時期を終えた雄花序は次々に落ちてゆきますが,つけ根に雌花がある雄花序は,雌花を残して落下します。
[写真3]と[写真5]を見比べると,雌花の先の小枝がなくなっているのが分かります。

イガが成長するにつれて,雌花がついている小枝はイガを持ち上げるように曲がって,まるで果柄のようにイガと一体になってゆくという訳です。
落ちていた実を調べてみると,雄花序がついていた痕が残っていました。[写真8]

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