猛暑の続く昼下がり,カエデの涼しそうな木陰に,クチベニマイマイが何個もくっついて休んでいました。[写真1]
陸に上がった貝であるカタツムリは,暑さと乾燥から身を守るため,夏は休眠するのです。
夏眠(かみん)といいます。
寒い時期には冬眠もするので,活動している時季は限られています。
移動するときのゆったりとした動きといい,まさにスローライフな生き方ですね。

夏眠時も,冬眠時も,エピフラムと呼ばれる粘液を固めた物質で,殻の開口部を覆い,乾燥から身を守ります。
一個,木からはぎ取ってみました。
殻を覆う膜が確認できます。[写真4]

眠りを醒まさせてしまったのか,膜からニョロニョロと白い体が湧き出てきました。[写真4]~[写真6]
最初に出てきたのが尻尾(?)の方で,後から触角のある頭部が出てきました。
ということは,殻に入っているときは,頭が奥にあるということでしょうか。

そういえば今まで,カタツムリが殻の中にどんな風に入っているのか,考えたこともありませんでした。
それを調べるのは,かなり残酷なような気がします。