トウカエデの根もとにヤナギマツタケが出ていました。[写真1]
毎日横を通っている街路樹ですが,この木に発生したのは初めて見ます。
新鮮できれいな個体だったので,採取して持ち帰りました。

パスタにいれて食べました。
ヤナギマツタケはそれほど旨味のあるキノコではないのですが,癖のない味で歯ごたえがよく,発生量も多いので利用しやすいキノコです。
成熟すると暗褐色の胞子をたくさん飛散させます。
汁ものに入れると汁が茶色くなるほどなので,胞子を飛散させ始める前のものを採取するのが理想的なのかもしれません。

[写真6]は前日に撮ったものです。
傘の裏面には白い膜が張っています。
1日経つと膜は脱落して柄にぶら下がり,膜質のつばとなっていました。
つばの上面には落下した胞子が付着して,暗褐色になっています。

『山渓カラー名鑑 日本のキノコ』(1988年)には,ヤナギマツタケについて次のように書いてありました。

傘は径5~15cm,表面は平滑,黄土褐色~帯灰褐色で浅いしわがある。ひだは密,帯褐色~暗褐色。柄は長さ3~15cm,繊維状,上部に白い膜質のつばがあり,その上面は胞子が落下して暗褐色となる。肉はほぼ白色。初夏,ハコヤナギ・カエデ・ニレなど広葉樹の枯れ木や生木の腐朽部に束生,よく街路樹にも発生する。最近は人工栽培される。ほぼ世界的。

25年前の本に「最近は人工栽培される」と書いてあるのですが,私は売っているのを見たことがありません。
家人に聞いても,見たことがないそうです。
ネットで調べると,確かに人工栽培はされているようですが,それほど出回ってはいないようです。