昨年7月に庭に埋めたミシシッピアカミミガメ(→2013/7/12)を,12月11日に掘り出しました。
恐るおそる包んだネットを開けてみると,うまい具合に骨化しています。[写真6]

ウジ虫が群がる悲惨な光景を危惧していたのですが,そんなことはありませんでした。
匂いもあまりせずに,わりと平和な光景です。(数ミリの糸のような小さな虫がたくさん付いていますが,無視することにしました)

持ち上げた瞬間に甲羅がバラバラになって崩れ落ちました。
カメの甲羅はひとつづきの骨だと思っていたのですが,たくさんの骨が組み合わさったものだったのですね。

全身の骨はこれから組み立てるのですが,とりあえず,組み立てる前の甲羅と頭がい骨の写真をアップしておきます。
興味深い点がいくつもあります。

先ず,カメの甲羅の亀甲模様は骨の模様ではなく,骨格の表面を覆った鱗の模様だということ。
穴から取り出した時点で,甲羅の表面がずるずると薄く剥がれてゆきます。
意外なのは鱗の形と,下にある骨の形は同じではないということ。
鱗同士のつなぎ目と骨同士のつなぎ目が重ならないようにして,堅牢性を増加させているようです。

背甲の中心線には,脊椎のような,神経がとおるらしい穴があいた骨が並んでいます。
調べるとこれはやはりこれは脊椎で,椎骨といいます。
カメの背甲はあばら骨が板状に変形してできたものだそうです。
その発生学的新発見について,朝日新聞(2013/7/10)に記事が載っていました。

 カメの甲羅の正体は,変形して板状になったあばら骨が,筋肉を押しのけて体の表面に出てきたものであることを,理化学研究所などのグループが明らかにした。皮膚で作られる「殻」ではないことがはっきりしたという。
 カメは,あばら骨同士がくっついて板状になった甲羅が,六角形や五角形の幾何学模様をしたうろこのすぐ下にある。体の表面でできた殻があばら骨と一体化して板状になったのか,あばら骨が単独で変形してできたものなのか,19世紀から議論されてきた。
 理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の平沢達矢研究員らは,スッポンを例に甲羅の作られ方を精密に調べた。卵の中で育つ経過を観察すると,皮膚より下にある組織で,あばら骨同士がすき間を埋めるように伸びる様子を確認。殻と一体化しなくても,あばら骨だけで板状の構造がつくれることがわかった。
 同じ甲羅を持つ生き物でも,哺乳類のアルマジロの場合は,変形していないあばら骨や背骨の上に,ドーム状の鐘のようなものが乗っかっている。この甲羅は体の表面で作られるもので,進化的には魚のうろこと同じだという。

カメの甲羅の進化の過程をアニメーションさせた映像が,ユーチューブにありました。

理化学研究所 発生・再生科学総合研究センターのサイトにも進化過程を描いた3次元アニメーションがあります。

甲羅の骨と骨の接合部は,超精密な継ぎ手になっていて[写真4],ギザギザを正しく組み合わせると隙間なくぴったりと繋ぐことができます。

頭蓋骨の上あごと下あごには,総入れ歯のような角質のカバーがかぶさっています。
[写真5]はそれぞれを外したところ。
カメには歯がなく口ばしがあるというのは知っていましたが,こういうことなのかと納得しました。

これから全身の骨格を組み立てて,また報告したいと思います。