メジロの群れがカキの実をついばんでいました。
鳴き交わしながら枝から枝へと動きまわり,にぎやかです。
つつかれたカキの実は底が抜けたように下半分がなくなっています。

メジロが熟したカキを好むのは,昔から有名なようです。
江戸中期に編纂された百科事典「和漢三才図絵」の「巻第43 林禽類」には,眼白鳥(めじろどり)について次のように記してあります。
(平凡社東洋文庫『和漢三才図会6』1987年)

いつも柿を好むので,これを捕えるには囮(おとり)を用いたり,あるいは熟柿を筐(はこ)の傍に置いたりしておく。これを飼育するには柿の研餌(すりえ)・沙糖(さとう)を用いる。

「これを飼育するには」とあるように,メジロは昔から愛玩用として飼われていました。
平凡社『世界大百科事典』(2007年)には,次のように書いてありました,

飼鳥としては,じょうぶで飼いやすく,活発で愛らしく,鳴声もよいので, 以前はどこへいっても農家の軒先にメジロ籠がぶら下がっていたものである。また,メジロの鳴き合せも盛んに行われた。しかし,現在は野鳥を飼うことは原則として禁止されている