大きなミミズのようものの死骸に,アリがたかっていました。[写真5]
まわりを砂の壁で囲まれ,無数のアリに覆われています。
何かなと覗き込んで見ると,ミミズではなくヘビでした。

小枝ですこし動かすと,頭が見えました。
ヒバカリのようです。
3年前にも,この場所でヒバカリを見かけています。(→2011年8月2日

眼を見開いたままの顔付はまるで般若の面のようですが[写真4],この眼は恨みを込めて見開いているわけではありません。
ヘビには瞼がないため,閉じることができないのです。
ヘビの瞼は透明な膜に変化しており,開け閉めすることなく,コンタクトレンズのようにいつも眼球のうえに被さっているそうです。
ヘビと近い関係にあるトカゲには,瞼があります。

翌日見ると,かなり食べ進んで部分的に骨になっていました。
このまま,きれいに肉の部分を食べてくれたら,ヘビの骨格標本ができそうです。
歩く人に踏みつけられないように,小枝で持ち上げて道の端のほうへ動かしておきました。

その翌日見ると,もうほとんど骨格標本といっていいくらいになっていました。
これ以上食べ進まれると骨がバラバラになりそうなので,持ち帰ることにしました。
しかし,持ち帰ってみると腹部にはまだ内臓の部分が残っていました。
あと一日置いておいた方が良かったようです。

水洗いし,煮沸し,骨以外の部分を取り除いていると,細い肋骨がどんどん抜け落ち,脊椎骨がはずれ,何ともかっこ悪いものになってしまいました。[写真1]
これでは標本になりそうにありません。
きれいな骨格標本を作るのは難しいのですね。