崖におもしろい形をしたキノコが出ていました。[写真1]
太い柄の先に,えんじ色をした球形の頭がついています。
何かの幼菌のようです。

3日後に見ると,見慣れたキクバナイグチでした。[写真2]
このあたりの崖でよく見かけるキノコです。

『山渓カラー名鑑 日本のキノコ』(1988年)には,キクバナイグチについて次のように書いてありました。

傘は径5~10cm,表面は乾燥し,濃ワイン赤色の大きな鱗片におおわれ,縁部には被膜の名残りが付着する。管孔は黄色で手で触れると青変する。柄は暗ワイン色。肉は淡黄色で傷つくと青くなる。夏~秋,林地または立ち木の根際に発生。食。

「林地または立ち木の根際に発生」とありますが,地面よりも切通しのような崖に生えていることが多いように思います。

管孔,肉ともに青変性があり,特に管孔は触れただけで青変します。[写真5]

半分に切ってみると,内部はほとんど虫に食われていました。[写真6]
「食」となっていますが,食べるためにはかなり若いものを採らないといけないようです。