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ハイイロチョッキリの幼虫

2014年9月19日

家の前のコナラの木から,毎日小枝が落ちてきています。
ハイイロチョッキリのしわざです。
ドングリに卵を産みつけた後,枝先を切り落としているのです。

かれこれ一月ほど,毎日かなりの量が落ちてきます。
たくさんのハイイロチョッキリがせっせと枝を切り落としている姿を想像しますが,調べてみると一匹のハイイロチョッキリだけでもかなりの数の卵を産むようです。
高柳芳恵著『どんぐりの穴のひみつ』(2006年)によると,9月14日から10月16日までの間に,1匹のメスが109個の卵を産んだとあります。
1個のドングリに1個の卵しか産みつけないので,1匹のハイイロチョッキリが109本の小枝が切り落としたことになります。
1本の木に10匹もいれば,1,000本の小枝が落ちてくる計算になります。
案外,想像するほどたくさんのハイイロチョッキリがいるわけではないのかもしれません。

学研『日本産幼虫図鑑』(2005年)には,ハイイロチョッキリの幼虫について次のように書いてありました。

特徴:幼虫の頭部はやや前口型で,前半はよく着色しているが,後半は前胸に隠れがちな状態で着色も弱い。体は強く湾曲している。成虫はコナラなどの実の殻斗の縁近くに穿孔して産卵する。枝を噛み切って葉のついた枝ごと切り落とす点がシギゾウムシと異なる。幼虫は実を子葉の中心から摂食して成長する。
類似種:シギゾウムシ類の幼虫に比べ,前胸が濃く着色し,幅広く平坦な感じで,慣れれば肉眼でも区別できる。殻斗が残っていれば落下状況によっても区別可能。本種の糞が糸状であることも識別ポイントとなる。
食物:コナラなどの実の子葉。
分布:本州,四国,九州,対馬。

産卵する箇所は,必ず「コナラなどの実の殻斗の縁近く」です。[写真2]
殻に直接穴を開けないのは,殻斗の表面の毛を削って産卵穴をふさぐ材料にするためです。
[写真3]は殻斗の穴。
[写真4]は殻斗の下の,殻に開けられた穴。
どちらも丁寧にふさがれています。

[写真5]は,落ちてきたばかりのドングリを縦に切ったもの。
産卵穴の奥に,1個の卵が産みつけられています。[写真6]

半分に切ったドングリを元通りに合わせてラップに包み,時々開いて幼虫の成長を観察することにしました。
5日後に開いてみると,孵化して幼虫になっていました。[写真7]
しかしドングリの中身は黒ずみ,外側にはカビが生えています。
残念ながら,この方法では幼虫の成長を観察し続けるのは無理ですね。
幼虫の成長を継続的に観察する,よい方法はないものでしょうか。

[写真8]~[写真12]は,落ちていたドングリの中の幼虫。
[写真10]は[写真9]の幼虫です。
ドングリの中身をほとんど食べつくしており,脱出前の終齢幼虫だと思われます。
[写真12」は[写真11]の幼虫。
写っている糸状のものは糞です。

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