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シキミの花

2015年4月15日

シキミの花が咲いていました。
何ともない白い花なのですが,不思議な印象を受ける花です。
葬送に使う木,という先入観がそう思わせるのでしょうか。

平凡社『日本の野生植物 木本Ⅰ』(1989年)には,シキミの花について次のように書いてありました。

花は3-4月に開き,脇生,径2.5-3cm,花柄は長さ5-30mm。花被片は10-20枚,外部のものはやや幅広くて短く,楕円形,内部のものは細長くて線状長楕円形,長さ10-18mm,多少波状によじれ,ふつう黄白色で光沢がある。雄蕊は20本ほどで,葯は花糸とほぼ同長。雌蕊は多くの場合は8個の心皮が集まり,果実は扁平な8角形となって径2-3cm。

「花被片は10-20枚」とあるのは,花弁と萼片が同形で見分けがつかないため「花被片」と表現しているのだと思います。

花をよく見ると,雌しべの形態が2種類あることに気付きます。
[写真3]のように8本ある雌しべの柱頭が外側に開いているものと,[写真4]のように雌しべがねじり合せられたように,ひと固まりになっているもの。

[写真3]の雄しべはまだ未熟で,花粉を出していません。
[写真4]の雄しべは,葯が裂開し花粉を放出しています。

これは雌性先熟といわれるもので,花粉が同じ花の柱頭に受粉しないようにするための仕組みです。
伊藤元己著『植物の系統と進化』(2012年)には,次のように書いてありました。

両性花であっても雌雄異熟という,雄ずいから花粉が放出される時期と雌ずいの柱頭が受粉可能な時期をずらすことにより自家受粉を避ける植物もある。たとえば,モクレン類では,開花時には雌ずいは成熟して,柱頭が開き受粉可能であるが,同じ花の雄ずいの葯は花粉を出していない。数日後に雌ずいの柱頭は畳まれて受粉ができないようになった後,葯が開裂して花粉を放出する。

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