水路脇の杭に,羽化したてのオニヤンマがとまっていました。[写真1]
抜け殻につかまり,じっとしています。
体全体の色が薄く,いかにも生まれたてといった弱々しい感じがします。

実際に弱くデリケートです。
手でつかんだりすると,翅がよじれたり体が曲がったり,不具合が生じます。
以前に失敗したことがありました。
羽化したてのオニヤンマの翅を,指で挟んで持ち帰ったところ,翅が変な具合に曲がってしまい,元にもどりませんでした。
セミの幼虫もそうですね。
羽化するために地上に出てきた幼虫を,指でつまんで家に持ち帰ったら,羽化の途中に殻から抜け出せなくなりました。

体に触らないように,抜け殻ごと杭から取り外して,家に持ち帰りました。
[写真2]は7時6分。
[写真4]は7時25分。
20分間で,だいぶ体の色が濃くなっています。
羽化の時間経過による変化→2014年6月19日

今までに,この水路でオニヤンマの羽化を目撃した日時は,
2003年6月28日
2006年6月28日
それに今回が2015年6月27日。
2006年6月28日の記事には,3年前の羽化が同じ6月28日だったのを不思議だと書いていますが,今回も1日違いの6月27日です。

腹端に産卵管ではなく尾部付属器があり,腹部つけ根に副性器があるので♂です。
体長は10cm。
オニヤンマの体のつくりと雌雄の違い→2013年9月7日

オニヤンマの複眼は,未熟なうちは灰褐色,成熟するにつれて深緑色になります。
[写真10]の上が今回の羽化直後の複眼,下が成熟時のものです。

オニヤンマ(♀)→2012年7月26日
オニヤンマ(♂)→2009年9月11日