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シロソウメンタケ

2015年9月8日

地面を覆った苔の濃い緑色の一画に,まっ白な細いキノコがたくさん生えていました。
シロソウメンタケのようです。
見た目は「ソウメン」というより「モヤシ」ですね。[写真1]

図鑑を見ると,シロヤリタケにも似ています。
どちらなのでしょうか。
『山渓カラー名鑑 日本のキノコ』(1988年)には,シロヤリタケとシロソウメンタケについて,次のように書いてありました。

シロヤリタケ
シロソウメンタケ属。子実体は白色で単一,光沢があり,非常にもろい。高さ1~8cm,円筒形,中空。胞子は白色,ほぼ球形。菌糸にクランプはない。担子器の基部に広いループ状のクランプがある。草地。

シロソウメンタケ
シロソウメンタケ属。次種サヤナギナタタケに似て多数束状に叢生するが,全体が白く,古くなると黄色味を帯びる。高さ3~12cm,細くて屈曲する。肉は白く,はなはだもろい。広葉樹林に発生する。食。普通。広く世界中に分布。

・高さは,シロヤリタケが「1~8cm」,シロソウメンタケが「3~12cm」。
このキノコの高さは4cmほどなので,どちらにも当てはまります。

・シロヤリタケは「円筒形,中空」。シロソウメンタケについては,中空とも中実とも書いてありません。
このキノコの断面は,[写真6]のように中空でした。

・シロヤリタケは「非常にもろい」,シロソウメンタケも「はなはだもろい」。どちらも「もろい」ことが特徴となっています。このキノコは,9月3日の時点で採集した時には特に「もろい」という印象を受けませんでした。まだ若い個体だったからでしょうか,3日後に再び採取した時には,ポキポキと折れて「はなはだもろい」状態になっていました。
シロソウメンタケの「もろさ」について,東洋書林『世界きのこ大図鑑』(2012年)には,次のように書いてありました。

ラテン語の種小fragilisが示すとおり,シロソウメンタケの子実体はとてももろく,粉々にならないように採取するのが難しい。別名を「Fairy Fingers (妖精の指)」という。以前はClavaria vermicularisという学名だったが,その種小名は「小さなぜん虫」という意味だ。ヨーロッパではふつう,古くて手入れのされていないコケむした草地に見つかるが,北アメリカなどでは,むしろ混合林によく発生するようである。食べられるとされるが,歯ごたえも味もない。

「fragilis」は「砕けやすい,もろい」という意味だそうです。

・シロソウメンタケは「多数束状に叢生」。シロヤリタケについては何も書いてありませんが,束生せずに一本一本が独立して生えます。
『世界きのこ図鑑』には,次のように書いてありました。

本種(シロソウメンタケ)は,子実体が多数集まって束生すると,見分けがつくはずだ。サヤナギナタタケ(Clavaris fumosa)も発生の仕方が似ているが,煤けた淡褐色かピンクがかった褐色をしている。C. rubicundulaも似ているが,淡くピンクがかり,分布も本種ほど広くない。シロヤリタケ(C. acuta)は,白色だがもっと小型で,ふつうは特徴的な白く透ける柄をもつ。また多数が束生することはなく,単生するかやや群生する。

このキノコは[写真3]のように,束生していました。
シロヤリタケにあるという「特徴的な白く透ける柄」は,[写真3」を見てもありません。

同じく,同書

シロソウメンタケの子実体は,平滑で,円筒形かやや平たい形をし,枝分かれせずに先がとがる。通常は多数集まって束生する。俗名が示すとおり白いが,古くなると先端が黄色や褐色になることがある。

[写真4][写真5]は,[写真1]の3日後の状態です。
先端が枯れたように茶色くなっています。

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