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ヒガンバナ

2016年1月19日

今の時期,ヒガンバナが咲いていた場所には,細長い緑の葉が繁茂しています。[写真1]
ヒガンバナは花が咲いている時には葉はなく,花が枯れた後に葉が出てきます。
多くの植物が休眠する冬に葉を茂らせて積極的に養分を蓄え,他の植物が活発に活動する夏の間は休眠します。
他の植物とは少しライフサイクルがズレていますね。

鱗茎(球根)がどんな状態なのか,自宅前の土手に生えているヒガンバナを掘り出してみました。[写真2]
葉は意外に細く,周りに生えているシャガの葉とは容易に区別できました。

細長い濃緑色の葉の根元に黒い外皮に包まれた鱗茎があります。
その下から,割と太い根が数本生えています。[写真3]
縦に切った断面が[写真4]です。

植物体の一部が肥大して球状になったものを,一般に球根といっていますが,いろいろな形態のものがあり,かならずしも根が肥大したものではありません。
ユリやチューリップなど草花の球根の多くは,葉が肥大して球形になった鱗茎と呼ばれるものです。
ヒガンバナの球根も鱗茎です。

鱗茎は,地下にあるごく短い茎に肥大した葉が密についたもので,鱗茎という名がついているものの,肥大しているものは茎ではなく葉です。
球根というものの根ではなく,鱗茎というものの茎ではない,とは何だかややこしいですね。

[写真5]は花を咲かせていた9月下旬の頃のもの。
比較してみると,今の時期のものは随分やせ細っています。
これから養分を蓄え,肥大していくのだろうと思います。

ヒガンバナが咲き始めた頃からの推移をまとめてみました。

・9月上旬
何もない地面から,アスパラガスのような細長い茎が,にょきにょきと生えてきます。[写真6]
頭には蕾がついています。

・9月下旬
茎が伸びきると,すぐに蕾が開き始めます。[写真7]
お彼岸の頃に満開となります。[写真8][写真9]
(花は咲かせますが,日本のヒガンバナは3倍体のため種子をつけません。)
花は1週間ほどで枯れます。

・10月上旬
茎は倒れ,地面から葉が出てきます。[写真10][写真11]

これから春まで,冬の光を浴びて光合成をおこない,鱗茎に養分を蓄えます。
春になると,葉は枯れ,養分を十分に蓄えた鱗茎は地下で休眠状態に入ります。
地上には何もなく,秋のお彼岸が近づくと,また茎を伸ばして花を咲かせます。

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