歩道のまん中にツチガエルがいました。
じっと動かないので,気づかずにもうすこしで踏むところでした。[写真1]~[写真4]
そういえば,1週間ほど前にすぐ近くにある水路から,一瞬だけカエルの鳴き声が聞こえてきたことがあります。
耳をすましたのですが,それ以上は聞こえてきませんでした。

その後も,カエルの鳴き声は聞こえてきません。
思い返してみても,毎朝この場所を通りますが,今までに近くでカエルが鳴きかわしていたという記憶がありません。
しかし,5年前にも付近でツチガエルを見かけているので,この水路で繁殖しているのではないかと思います。(→2011年8月12日

ツチガエルというと別の種類に聞こえてしまいますが,子どもの頃にイボガエルといっていた,ごく普通のカエルです。
普通に見られる普通のカエルだったのですが,近年は著しく数が減り,京都府レッドデータブックでは「要注目種」になっています。
水田の減少,用水路のコンクリート化が減少の原因のようです。

『山渓ハンディ図鑑9 日本のカエル』(2002年)には,ツチガエルについて次のように書いてありました。

●大きさ 30~60mm。
●体の色 灰褐色で,個体差も少ない。
●すみか 平野から山地の沼や河川,渓流などの水辺。
●鳴き声 ギューギューギューとかなり低い声で連続的に鳴く。
●卵とオタマジヤクシ 繁殖は5~8月に行われる。産卵場所は,沼,湿原,渓流脇のよどみ,都会の人工池など。数十個からなる卵塊を水草や水中に倒れ込んでいる草や枝などにからめるように産みつける。

・大きさ 30~60mm。
この個体は5cmほどの大きさです。

・体の色 灰褐色で,個体差も少ない。
本州にいる,「地面にいる黒っぽいカエル」は,ツチガエルとヌマガエルの2種です。ツチガエルが体の表面にいぼ状の突起が多いのに対して,ヌマガエルは体の表面がなめらかです。

・すみか 平野から山地の沼や河川,渓流などの水辺。
水路の水は,南禅寺から流れてくる谷川水と,別荘群の庭園を巡る疏水の水が混ざったものです。[写真10]
護岸が石積みなのが,生息環境としてよいのかもしれません。

・鳴き声 ギューギューギューとかなり低い声で連続的に鳴く。
この個体は鳴きません。
多分♀だと思います。

・卵塊を水草や水中に倒れ込んでいる草や枝などにからめるように産みつける
今の時期,水路を探せば,卵塊やオタマジャクシを見つけることができるのかもしれません。