冷たい風が吹くなか,枯木にキノコが意外なほどいきいきと生えていました。
たくさん束生し,茶褐色の傘が重なり合っています。
冬に生える茶褐色のキノコ,以前に調べたことがあります。(→2002年12月20日
エノキタケです。
普段見慣れている,ひょろひょろとした白い栽培品とは異なり,天然のエノキタケは色黒のたくましい姿をしていますね。

『山渓カラー名鑑 日本のキノコ』(1988年)には,エノキタケについて次のように書いてありました。

傘は径2~8cm,初めピンの頭のようであるが生長すると平開し,ついに皿状となる。表面は粘性強く,黄褐色~茶褐色。周辺は淡色。ひだは白~淡クリーム色でやや疎。柄は2~9cm×2~8mm,軟骨質,表面は黄褐色~暗褐色,上部は淡色,密に短毛におおわれビロード状。

晩秋~春,カキ・エノキ・コナラ・ヤナギなど種々の広葉樹の枯れ木や切り株に多数が束生し,積雪の中でも発生する。

・傘は径2~8cm
今回のものは,傘の径2~4cm。やや小型でしょうか。[写真6][写真7]

・初めピンの頭のようであるが生長すると平開し,ついに皿状となる
傘はみんな平開していて,幼菌は見当たりませんでした。

・表面は粘性強く,黄褐色~茶褐色。周辺は淡色。
傘の表面は指で触ると,べとべとしています。
重なった傘同士はくっついています。

・ひだは白~淡クリーム色でやや疎
[写真8]

・柄は2~9cm×2~8mm,軟骨質,表面は黄褐色~暗褐色,上部は淡色
[写真11]は縦断面,[写真10]は横断面。

・密に短毛におおわれビロード状
[写真9]

・カキ・エノキ・コナラ・ヤナギなど種々の広葉樹の枯れ木や切り株に多数が束生
今回発生していた木は広葉樹であることは確かですが,樹種ははっきりしません。
サクラかカエデでしょうか。