今年は発生しないだろうと思っていたオオバナミズキンバイが,また花を咲かせていました。
この場所は,毎年冬の間,水がなくなり除草清掃されるので,昨年の個体は完全に除去されているはずです。
今回繁茂している個体は,新たに琵琶湖から運ばれてきたものとしか考えられません。
[写真4]は昨年12月下旬に,琵琶第1疏水の水が停止された時の様子。(2016/12/22)
[写真5]は今年2月上旬に,清掃作業が実施された後の様子。(2017/2/2)

オオバナミズキンバイは,琵琶湖で大量に繁茂し問題となっている水草です。
他水域への拡散を防止するため,2014年に特定外来生物に指定されています。
昨年8月に,この場所で花を咲かせているのを見つけ,記事にしています。(→2016年8月19日
記事を書いた後,京都府下での初記録ではないかということで,数件連絡をいただきました。
その後,事態は悪化しているようです。
先月の京都新聞(2017年06月16日)に,次のような記事が載っていました。

琵琶湖の外来水草、京都に拡大 鴨川や宇治川で確認

 琵琶湖に大量繁茂する特定外来生物の水草オオバナミズキンバイが、宇治川や琵琶湖疏水を経て京都府宇治市や京都市でも確認されたことが、15日に滋賀県が開いた琵琶湖外来水生植物対策協議会で報告された。オオバナミズキンバイはちぎれた茎からも増える強い増殖力があり、県は琵琶湖から流れ出た茎などから分布が拡大したとみている。
 7日に県職員らが大津市の瀬田川洗堰下流の瀬田川・宇治川と、琵琶湖疏水が注ぐ鴨川のうち京都市南部を目視で調査した。瀬田川では洗堰下流側すぐの地点(大津市南郷)と、大石川との合流点(同市大石淀)、宇治川では関西電力宇治発電所の排水路(宇治市宇治山田)で生育を確認した。鴨川ではくいな橋の下流側(京都市伏見区竹田流池町)でも見つけた。
 川は水位や水流の変動があるため大増殖する可能性は小さいとみられるが、「いずれも琵琶湖から定着したと推察される。増殖力の強さから、予断を許す状況にはない」(県自然環境保全課)とみる。
 一方、琵琶湖のオオバナミズキンバイの生育面積は2015年度の約20万平方メートルから、16年度は約13万平方メートルに減少した。16年度は前年度の6倍を超す3億3千万円あまりをかけ、官民で除去と除去後の監視を強化したことが生育面積の縮小につながったという。
 同課は「琵琶湖下流の状況については、国土交通省や京都府、環境省に情報提供して注意喚起したい。県としては琵琶湖や湖に注ぐ河川、内湖の除去対策に一層力を入れる」としている。