九条山の石段にトンボが死んでいました。[写真1]
先ほどこの道を下った時には気づきませんでした。
アリも寄っていないところを見ると,息絶えたばかりのようです。
トンボはたいてい翅を広げたまま死んでいますね。
地面にとまっているように見えます。

コシアキトンボです。
黒い腹部の根元が、ビニールテープを巻きつけたように白くなっています。
「腰白」ではなく「腰空き」と名付けたところがユニークです。
この名前のおかげで,一度覚えるとなかなか忘れません。
(と言っても、しばらくすると「ドウアキトンボ」だったか,それとも「コシアキヤンマ」だったかなどと迷ってしまうのですが)

ミナミヤンマ・クラブ『近畿のトンボ図鑑 』(2009年)には,コシアキトンボについて次のように書いてありました。

【成虫形態】体長約4l~50mm。体色は,黒を基調とするが,腹部第3~4節に黄白色の斑紋があり,和名の由来(腰明)にもなっている。大阪では電気トンボやローソクトンボと呼ばれていた。♂は成熟すると黄色斑は白色班となる。
【生息環境】平地から丘陵地の樹陰のある池沼,淀んだ河川などに生息する。全面がコンクリートで覆われた防火用水槽や都市の公園の池などにも見られる。幼虫は池沼の沈積物の陰などに潜む。
【成虫出現期】5月下旬~10月中旬。6月から8月に多い。夏のトンボ。

この個体は,体長45mmの♂です。
♂なので、腹端には上付属器・下付属器があります。[写真10]
腹の第2,3節は,副性器があります。[写真11]

池沼,淀んだ河川などに生息する」「6月から8月に多い。夏のトンボ。」とあります。
夏の水辺にいるトンボのようです。
この辺りでは、そんなによく見るトンボでもないと思うのですが。
2006年にも南禅寺の参道で死骸を拾っています。(→2006年8月1日