ニョイスミレ。白い小さな花を咲かせています。反りかえった上弁がナースの帽子を思わせます。
もともと「ツボスミレ」と呼ばれていたものを牧野博士が改名したようです。
「牧野新植物図鑑」に次のように書いてありました。
『ツボスミレは今までこの種に使われた名だがもともと庭にはえるスミレの総称であったし,またツボを陶器の壺と解釈し,花形が壺に似ているためとするのはよくない。如意スミレは漢名に由来し,ツボスミレの名が不純でまぎらわしいので筆者が命名しなおしたものである。如意とは僧侶が持つ仏具の一つでその形と本種の葉形との類似から来ている。』
「山渓ハンディ図鑑6 日本のスミレ」による,ニョイスミレの特徴。
・生息環境…田のあぜなどの向陽地から沢沿いの林のなかまで,すこし湿り気さえあれば,いたるところで見られる。
・草丈…5~25cm
・花…白色で直径1cm前後と小さい。
唇弁には緻密な紫色のすじがあり,側弁には短毛が密生する。
距は白色~淡緑色。短くぽってりとしている。
花柱は上部がすこし左右にはりだす。
・葉…幅2~4cmの心形~腎形。
ふつう無毛で,両面とも緑色だが,まばらに毛があるものや,裏面が紫色を帯びるものもある。
・托葉…全縁またはまばらな鋸歯がある。
・花期…4~6月
・分布…南西諸島を除くほぼ全国
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今朝は雨上がりで,カタツムリがよく目に付きました。
その中で,このクチベニマイマイは,からだを伸ばしているせいか,びっくりするくらい大きく感じました。
思わず写真に撮りましたが,よく見ると頭に鶏のとさかのようなものが付いています(写真1)。 これは「頭瘤(とうりゅう)」というもので,大触覚の間の背側にある瘤状の隆起です。生殖期に大きくなるそうです。通常は気づかないほどの大きさなので,こんなに目立つほど大きくなっているということは,今は生殖期ということになりますね。
で,この個体がさがし求めているのは雄なのか雌なのか。実はカタツムリは雌雄同体で,同一個体内に雄の機能のある部分と雌の機能のある部分をもっています。この個体は雄であり雌でもあるわけです。
雌雄同体であるものの,自家受精することはまれで,多くの場合は交尾によって精子の交換をします。首筋に生殖門という穴があり,ここにお互いに石灰質でできた管を差し込み,精子の入った袋を交換するそうです。私はまだ見たことがありません。
生殖門が写っているアングルの写真はないか探していると,首筋の辺りが白くぼやけたように写っているものがありました(写真3)。多分この白くなっているところが生殖門ではないかと思います。
交尾の時期は初夏から入梅ごろということなので,これから見る機会があるかもしれません。
もし人間が雌雄同一だったら,どんな文化が生まれているか。興味があるところです。
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葉っぱの上にガガンボがとまっていたので,捕まえて,「平均棍」がどんなものなのか観察してみました。
ガガンボは動作が遅くてすぐに捕まえることができる上に,からだも大きいので,観察に向いています。長い脚がとれやすいのが欠点ですが。ちなみに,とれた脚は再生することはありません(寿命は1週間ほどらしいので)。この異常に長くて取れやすい脚は,何のためなんでしょうね。
平均棍の役割について,平凡社「世界大百科事典」に,次のように書いてありました。
『アブ,カ,ハエなど双翅(そうし)類の昆虫の後翅は変形して末端がふくらんだ棍棒状となり,平均棍となっている。飛行中,この平均棍は前翅と同じ振動数で上下に振子のように振動する。これを固定したり,除いたりすると昆虫はただちに落下するので,飛行時のからだの平衡を保つ作用をしていることがわかる。この安定作用は,一部は平均棍自体の運動によるジャイロスコープ効果による可能性もあるが,主としてその基部に多数並んだ鐘状感覚子campaniform sensillaというひずみ感受型の感覚細胞のはたらきを通じての反射作用によることがわかっている。』
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インクラインの線路脇にユウゲショウの花が咲いていました。
ほほ紅をさしたような,うす紅色の花は,「夕化粧」という名前と結びついて,記憶に残ります。 夏に咲く花なので,窓辺に寄りかかり,ゆっくりと団扇をあおぐ浴衣姿の女性といったものを連想させます。「夕化粧」という名前からは和風のイメージしかわかないのですが,この植物は明治になってから渡来した外来植物です。
保育社「原色日本帰化植物図鑑」(1976年)には次のように書いてありました。
『米大陸原産。別名アカバナノユウゲショウ。明治年間より観賞用に栽培されたという。本州中部以西の地に帰化,その範囲は広いが個体数は少ない。』
30年たち,個体数は増えていると思われます。
ユウゲショウの名は,夕方に花を開くことから名づけられように,花は夕方に咲くことになっています。
『夏から秋にかけて茎の上上部の葉腋に直径1.5cmほどの,淡紅色の4弁花をひとつ着ける。花は夜咲き。』(全国農村教育協会「日本帰化植物写真図鑑」)
『高さ30センチ前後になる多年草で,直径1.2センチほどの淡紅色から紫紅色の花をつけ,翌日しぼむ。』(「朝日百科 植物の世界 4」)
しかし,昼間も咲いていることが多いようです。性質が変化してきているのでしょうか。
ユウゲショウが属するアカバナ科マツヨイグサ属の花は,夕方に咲くものが多いそうです。
『マツヨイグサ属のマツヨイグサ(松宵草)や,ツキミソウ(月見草)のそれぞれの和名は,夕方に花が開くところからつけられた。英名は夕暮れに咲くサクラソウの意味の「イブニング・プリムローズ(evening primrose)」。この属の多くの種はたそがれどきに,ヒルザキツキミソウOenotbera speciosaなど一部の種は昼間に咲く。』(「朝日百科 植物の世界 4」)
雌しべの先は4つに割れていて,裂片は不釣合いなほど大きく,傘を開くようにはりだしています。 そこに雄しべからでた花粉が糸を引いて絡み合っています。(写真2)
アカバナ科の植物は,糸をひく花粉が特徴のようです。
『アカバナ科は15種約650種からなる。花粉の表面模様や発芽孔の構造が特徴的で,花粉粒が粘着糸によってゆるくつながっている。』(「朝日百科 植物の世界 4」)
雌しべの先が8つに割れているものもありました(写真3)。写真4は雌しべだけにしたもの。同じ個体についている,別の花も同じく柱頭が8つに割れていました。
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塀にセグロアシナガバチがとまっていました(写真1,2)。
カラタチの生垣のなかにも,ホソアシナガバチがじっと潜んでいました(写真3)。
どちらも朝7時過ぎくらいです。何をしているのでしょうか。
今の時期にいるアシナガバチは,すべて昨年の秋に交尾した雌です。
いわゆる女王蜂で,これから巣作りをし,卵を産みます。
アシナガバチの一年をまとめると次のようになります。(小川宏著「科学のアルバム アシナガバチ」による)
4月… 母親バチが冬眠から目覚めます。
5月… 母親バチが1匹で巣作り,産卵,幼虫の世話をします。母親バチから生まれるのは全部雌(娘バチ)です。
6月… 娘バチが次々に誕生し,巣作りや,あとから生まてくる幼虫の世話をします。
7月… 巣は,娘バチの働きで,どんどん大きくなります。
娘バチを育てた母親バチは,巣で産卵と幼虫の世話だけをします。
雄バチがいないので,娘バチは交尾することができません。
8月… 夏の終わりごろ,母親バチが力尽きて死にます。
娘バチが産卵を始めます。交尾していない娘バチの卵は,雄バチになります。
9月… 母親バチが残した雌になる幼虫と,娘バチが産んだ雄になる幼虫が育ちます。
10月… 雄バチが誕生します。そして,雌バチも誕生します。たいていの雌バチは,同じ巣に待っていた雄バチと交尾します。
交尾を終えた雌バチは,次の年の巣作りと冬眠のために,養分を蓄えます。
娘バチは次々に死んでしまいます。
11月… 雄バチは死んでしまいます。
巣はからっぽになり,捨てられます。
雌バチは冬眠に入ります。来年の母親バチです。
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ニシキギに花が咲いていました。花びらが散った後の花のようで,目立たない花です。萼かと思ったのは花びらで,萼はもっと目立たないものでした。
中央にある平らな花盤のまん中に雌しべの柱頭,まわりに雄しべが4本あります。直径は6~7mm。淡緑色なので,葉の緑にまぎれて,なおさら目立ちません。
「牧野新日本植物図鑑」には,次のように書いてありました。
『葉腋に葉よりも短い柄のついた集散花序をつけ,2,3個の花が5月に開く。花は淡い黄緑色で直径6~7mm。がくは4個で浅くさけ,各片は半円形で辺に毛がある。花弁も4個で円形をしていて辺に波形がある。雄しべは4本で短かい花糸をもつ。』
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オオイヌノフグリの花。朝開き,夕方にはしぼみます。
[写真1]は,朝ひらいたばかりの花。中央の雌しべをはさむように,雄しべが2本あります。
[写真2]は,夕方しぼみかけの花です。雄しべが雌しべに接触しています。
虫が訪れ受粉が行われた花は,受粉が行われると1~2時間で落ちるので,夕方まで残った花は虫による受粉が行われていない花です。オオイヌノフグリにはそうした花も自家受粉をおこなう仕組みを持っています。
地人書館「新訂 図解生物観察事典」に次のように書いてありました。
『花を訪れる昆虫は,ナガヒメヒラタアブ,ヒメハナバエ,ハナアブ,オオクロバエなどで,それらの虫がとまると花が傾くので,虫は必然的に雄しべにしがみつく状態になる。その結果,葯と柱頭が触れ合い,花粉が柱頭や虫につく。日中はこのように昆虫の助けをかりて同花受粉や他花受粉を行うが,日がかげりだすとゆるやかな運動によって葯と柱頭とが接近してお互いに触れ合い,自動的に同花受粉をする。』
[写真3]は,名前の由来ともなった実。大分おおきくなっています。まん中に花柱が残っています。
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変なチョウがとまっていると思い,よく見ると,つながっている2頭のチョウでした。ナガサキアゲハです。
上が雌,下が雄です。雄はどの地域のものも黒一色ですが,雌は南にすむものほど白い部分が多くなります。
昭和31年(1956年)発行の北隆館「日本昆虫図鑑」には,ナガサキアゲハの生息地について次のように書いてありました。
『九州及び四国では平地より浅い山地にかけて比較的普通であるが,本州では極めて稀で山口県及び和歌山県で稀に採取される。』
その後,分布は拡大しており,保育社「原色日本蝶類生態図鑑(1)」(1982年)には,次のように書いてあります。
『九州では少なくとも明治時代にはかなり普遍的に分布していたらしい。分布の北上はおもに採集・目撃記録の急増という形でとらえられるが,それは1930年代に入って山口県や愛媛県で,1950年までには広島県,徳島県で,1960年代には淡路島,1970年代には岡山県で認められ,1980年には大阪府や和歌山県まで北上した。1982年春現在の兵庫県・大阪府付近における確実な定着地は西宮市・尼崎市で,大阪府豊能町初谷(山間部)でも何頭か記録されているが,まだ数は少ない。昭和初期(1930年代)の分散は一挙に栽培面積がふえたミカン類におうところが大きいと思われる面もあるが,最近の分布拡大はそれよりも蝶自体に問題があるとみられる。』
最近のナガサキアゲハの北上については,地球温暖化が原因ではないかと言われていますが,この頃は地球温暖化という視点はなかったようです。
その後も分布は北上し,1990年以降には京都でも確認されています。1997年には静岡県浜松市,2000年までに神奈川県,埼玉県内で目撃されているそうです。
それにしても,これほど急激に分布がひろがっているのは何か不気味なものを感じますね。
タグ: | ナガサキアゲハ
この頃,町内のあちこちでカエルの鳴き声がします。どんなカエルが鳴いているのか気になっているのですが,鳴いている姿はなかなか見ることができません。
日向神社の池のまわりでも鳴いていたので,草をかき分けて探してみました。しかし,すこし草をかき分けたくらいでは姿を見つけることはできないようです。
あまり気合をいれて探す気もなかったので,あきらめた時に,ふと足元をみると,カエルが。
鳴き声の正体なのかどうかははっきりしませんが,このカエルはニホンアカガエルです。
アカガエルのなかまは寒さに強く,冬から春にかけての,わりあい気温の低い時期に卵を産むそうです。
ニホンアカガエルも繁殖期は1~3月。鳴嚢(めいのう)をもたないので鳴き声は小さいそうです。
カエルが鳴くのは,繁殖期に雄が雌を誘うためと,自分の縄張りをしらせるためだとか。
鳴いているのがニホンアカガエルだとしたら,今はもう繁殖期を過ぎているので,初めて陸にあがった個体が縄張りを主張して鳴いているのでしょうか。
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ホウチャクソウの花。
花びらが散ると,長い花柱がよく目立ちます[写真2]。
ここに咲いているホウチャクソウは自生のものとばかり思っていましたが,植えられたものであることを最近知りました。環境が適しているのか,かなり増えています。
名前の由来について,「牧野新日本植物図鑑」には次のように書いてありました。
『宝鐸草の意味で下垂して狭鐘状をしている花の姿を寺院の軒や五重塔などの軒に下がっている風鈴に似た宝鐸にたとえた。』
[写真3]は南禅寺法堂の軒下に下がっている宝鐸です。筒状をした花被のかたちばかりでなく,花柱の先端が3つにわれた形も宝鐸の舌(ぜつ)の形にによく似ています。
「宝鐸(ほうちゃく)」について「日本国語大辞典」には次のように書いてありました。
『寺院の堂塔の四隅の軒などにつるして飾りとする大きな鈴。・・・』
使用例として,『仮名草子・東海道名所記-1「五重の塔は,<略>宝鐸(ホウチャク)風にうごきてとをく聞こゆ」』とあります。私は宝鐸が鳴っているのを聞いたことがないのですが,昔は実際に音が出ていたのでしょうか。
(2007/5/12 追記)
宝鐸の中がどうなっているか,下から写してみました[写真4]。この構造では,どんなに風がふいても鳴ることはないですね。
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一瞬,ビクッとしました。大きなシマヘビです。
ひなたで日光浴をしている最中のようです。
変温動物のヘビは自分で体温を調節することができないので,今の時期,体温調整のために日光浴をする必要があります。
夏になると逆に,体温が上がりすぎないよう直射日光をさけて,木陰や石のすき間などに身を隠しています。
こちらに気づいているはずなのに動かずにじっとしているのは,動けないのか,逃げるよりは,気づかれないようにじっとしている方が得策だと思っているのか,どちらでしょうか。確かに草むらにいると見分けにくい体色をしています。
シマヘビは名前のとおり,からだに4本の黒い縦じまがあります。その色の濃さは個体によって様々で,縦じまがないものや全身真っ黒なものもいるそうです。
平凡社「世界大百科事典」の「シマヘビ」の項には,次のように書いてありました。
『胴の背面には,頚部から尾部にかけて4条の黒褐色の縞模様が走る。子ヘビには茶褐色の横縞模様があり,成長とともにこれらが薄れて縦縞模様が顕著になる。・・・本種の黒化型は一般にカラスヘビと呼ばれ,性質が少し荒い。伊豆大島産のシマヘビはほとんどが黒化型。』
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水路横の草地に見慣れないきれいな花が咲いていました。赤より濃い,クリムゾン・レッドの花です。洋花っぽいたたずまいは,やはり外来植物でした。
名前はベニバナツメクサ。シロツメクサはクローバーのことなので,紅花のクローバーという意味で名づけられたのでしょうか。
もともとは牧草として移入されたもののようです。保育社「原色日本帰化植物図鑑」には次のように書いてありました。
『欧州~西アジア原産。渡来明治初年。牧草として栽培されたものがしばしば野生化。また,港湾や製粉工場付近などに帰化したものを見る。欧州には淡黄・淡紅・白花などのものもある。』
マメ科植物なので,根粒菌により空気中の窒素を固定する働きをします。土にすきこむ際に機械に絡みにくいことから,ゲンゲやクローバーに替わって,田んぼに種がまかれこともあるそうです。
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ベランダに寝そべり街を見下ろすラブラドールという風情ですが,実は屋根のうえで休憩するサルです。
高いところから見る景色は見慣れているはずなのに,京都の街を見下ろしてなごんでいます。
しばらくすると,5~6頭のなかまがやってきました。子ザルを抱きかかえた母親ザルもいます。
山づたいに移動しているだけで,悪戯をするわけではなく,しばらくすると姿を消しました。
農作物を荒らしたりして,何かと問題視されるサルですが, 先進諸国のなかで野生のサル類が生息しているのは日本だけだそうです。
和んでいるサルの顔を見ると,なんとかうまく共存できないものかと思います。
タグ: | サル
カワトンボの雄。何回もシャッターを押しながら,そっと近づきました。じっとこちらを見て警戒しています。あと1メートルにまで近づくとさすがに飛び立ちました。
雌の翅は透明ですが,雄の翅は透明型とだいだい色型があります。
家にあった,ちょっと古い昆虫図鑑(北隆館「日本昆虫図鑑」(1956年))には,次のように書いてありました。
『かわとんぼ Mnais strigata Selys
雄は体金属緑色であるが,老いたものは表面一様に白粉を装う。
雌は体色黄味を帯びた金属緑色である。
翅色は型によって著しく異る。
・・・・・・
近畿以西には雄雌に淡橙色型を,南九州には雄の褐色型を産する。
この両型の雄には翅の前縁に沿った不透明部を欠く。
腹長46mm内外,後翅長40mm内外。
北海道・本州・四国・九州に分布し,春季流水附近に見られる。
本種の型に関する問題は今後なお慎重な考究を必要とする。〔朝比奈〕』
執筆者の「朝比奈」とは,日本蜻蛉学会初代会長の朝比奈正二郎氏です。
その後,朝比奈氏は1976年に,カワトンボをヒガシカワトンボ,ニシカワトンボ,オオカワトンボの3亜種に分けました。以降の図鑑はこの説によったものが多いようです。
学習研究社「学研生物図鑑 昆虫Ⅲ」(1990年)では,ニシカワトンボ(Mnais pruinosa pruinosa),ヒガシカワトンボ(Mnais pruinosa costalis),オオカワトンボ(Mnais pruinosa nawai)に分け,ヒガシカワトンボ,オオカワトンボはニシカワトンボの亜種としてありました。
さらに2004年12月に,DNA分析の結果により,ヒガシカワトンボとオオカワトンボをあわせてオオカワトンボ(Mnais costalis)とし,ニシカワトンボはカワトンボ(Mnais pruinosa)とされました。
さらにさらに2007年3月,和名の混乱を避けるため日本蜻蛉学会の和名検討委員会から,オオカワトンボはニホンカワトンボ(Mnais costalis),カワトンボはアサヒナカワトンボ(Mnais pruinosa)とすることが提唱されています。
(和名の変遷については,ネットで調べた情報をまとめました。誤りがあるかもしれません。)
タグ: | カワトンボ
アリドオシの花。
4本の雄しべと,先が4つに割れた雌しべが1本あります。花を縦に切って中を見てみると,長い筒のなかには短毛が密生していました。
この株の花では,花柱が長く柱頭が飛び出ています(長花柱花)が,同じアリドオシでも花柱が短い花(短花柱花)を咲かせる株もあります。
こうした,同じ種のなかで花柱の長さの異なる花を異形花柱花といい, アリドオシのほか,ナス,サクラソウ,アサザ,サツマイナモリなどにも見られます。
これは,できるだけ自家受粉を避け他家受粉をするための仕掛けとなっています。
昆虫が花から花へ渡り歩くと,長花柱花の柱頭には短花柱花の花粉が,短花柱花の柱頭には長花柱花の花粉がつくことになります。
新しい花が咲いているのに,去年の実が赤いまま,いくつかついていました。アリドオシが赤い実をいつまでもつけているのは,昔からよくしられており,名前の由来になったとする説もあるようです。
「牧野新日本植物図鑑」には次のように書いてありました。
『液果は丸くて赤く熟し,径5~6mm,長い間着いたままになっており,翌年の花時にさえまだくっついている。
・・・
〔日本名〕針のするどさを蟻を刺し通すほどだといったものである。果実が永く茎についているから在通しというのは俗説である。』
タグ: | アリドオシ
ヒゲナガガのなかま。
金属光沢に輝いた羽や細長い触角は,一見すると甲虫のように見えます。
採取して実物を観察すれば,ガのなかまだとわかるのでしょうが,写真に撮っただけではなかなかガだとは気づきません。
図鑑で捜しても,載っている写真は展翅した状態のものなので,実際にみるものとは印象が異なります。
でも一度覚えてしまうと,ヒゲナガという,見た目そのままの名前で記憶に残ります。
平凡社「世界大百科事典」には次のように書いてありました。
『鱗翅目マガリガ科ヒゲナガガ亜科Adelinacの昆虫の総称。マガリガ科は翅の開張10~23mmの小形のガを含む科で,世界中に分布する。日本からは30種あまりが記録されている。この科の中で,雄の触覚が前翅の長さよりはるかに長く,鱗翅目の中で最長の一群であるが,以前はこの亜科を独立の科とする学者が多かった。・・・』
「ホソオビヒゲナガ」なのか「ケブカヒゲナガ」なのか迷ったのですが,「ホソオビヒゲナガ」の雄のようです。
タグ: | ホソオビヒゲナガ
昨日の夜は強い雨が降っていました。
夜が明けてもよわい雨が残っていましたが,傘を差して家の周りをすこし歩きました。
写真のカタツムリは,ヒメヒオウギズイセンの葉の裏にいたニッポンマイマイです。
はらの下に,黒い粒粒が見えます[写真2]。
卵を産んでいるのかと思いましたが,カタツムリが卵を産むのは,首筋にある生殖門からです。はらの下に卵をうむ器官はありません。
産んだ卵を守っているのかとも思ったのですが,カタツムリが産卵するのは土の中なので,蝶のように葉っぱに産み付けることはないと思います。
それならこの黒い粒粒は何だろうと気になって,もう一度戻ったのですが,たくさん茂っている葉っぱのどの一枚だったか分からなくて,結局確認はできませんでした。
カタツムリを飼ったことはないので,一度飼育してみて,生態を観察するのもいいかなと思っています。
タグ: | ニッポンマイマイ
街路樹の根元にわずかに残った土を覆いかくすように,きれいな花が群生していました。
近づいてよく見ると,ユウゲショウの花にそっくりです。
柱頭が4裂した雌しべや紅色の脈がある花びらなど,ユウゲショウの花をそのまま大きく拡大したような花です。
これはヒルザキツキミソウの花です。
近くに咲いていたユウゲショウの花と並べてみました[写真2]。
並べて見ると,随分花の色の違いが目立ちます。
ユウゲショウの方が小さい分,色が凝縮され濃くなった感じがします。
ヒルザキツキミソウもユウゲショウと同じく,アカバナ科の外来植物です。
全国農村教育協会「日本帰化植物写真図鑑」には,次のように書いてありました。
『北アメリカ原産で世界の温帯域で花卉として栽培されている多年生草本。全体に白色の短毛を密生し,横に走る根茎から多数の茎を出して群生する。』
『花は夜に開花するが,日中もしぼまない。初め観賞用に導入されたが,第二次世界大戦神奈川県などで逸出,野生化した。現在でも日本各地で栽培され同様に野生化したものが見られる。』
保育社「原色日本帰化植物図鑑」には,『日本では種子は熟さない。』と書いてありました。
種子が熟さないのに,野生化しているとはどういうことでしょうか。
人為的に植えられたものが,栽培を放棄された後も,その場所で根茎を伸ばしてじわじわと拡がっているということでしょうか。
そういえばシャガやヒガンバナも,種ができないのに,普通に見られる野草ですよね。
タグ: | ヒルザキツキミソウ
石垣から垂れさがった葛に花が咲いています。スイカズラの花です。
毎年秋に一旦きれいに除草されるのですが,いまの時期になるといつの間にか蔓がのびて,花を咲かせます。丈夫な木ですね。
日本では手に負えないほどはびこることはありませんが,欧米では観賞用に植えられたものが野生化し,畑地などで厄介者になっているそうです。
「朝日百科 植物の世界」に次のように書いてありました。
『日本では栽培されることはあまりないが,欧米では観賞用に植えられている。それが野生化し,競争相手がいないのであろう,畑地などの厄介な雑木となり,「ジャパニーズ・ハニー・サックル」とよばれて嫌われている。日本では畑や田んぼにはびこることはない。』
スイカズラの名前の由来について,大抵の図鑑では「花冠の奥に蜜があり,吸うと甘いためこの名がある」といったことが書いてありますが,「牧野新日本植物図鑑」には次のように書いてありました。
『スイカズラは花中に蜜があり,これを吸う時の唇の形に花冠が似ていることから来ている。』
名前の由来はどちらでもよいのですが,「花の形が吸うときの唇の形に似ている」と一度聞かされると,花を見るたびにめくれた花弁が唇に見えてしまって変な感じです。
花,葉,茎はさまざまな用途に利用されるようです。
平凡社「世界大百科事典」に次のように書いてありました。
『葉を乾かしたものはタンニンを含み,茶の代用とされる。生薬では花を金銀花,茎および葉を忍冬という。花は脂肪酸,フラボノイドなどを含み,単独で,あるいは他の生薬と配合して,解熱,解毒薬として流行性感冒,おできなどに,また黒焼きは止血薬とする。忍冬はタンニン,サポニンおよびフラボノイドなどを含み,金銀花と同様に用いられるほかに利尿の効がある。忍冬または金銀花水は夏季,清涼飲料となる。また香りが強いこともあって忍冬酒ともする。』
タグ: | スイカズラ
シイの木の根元に発生したカンゾウタケ[写真1]。
9日前に幼菌が出ているのを見つけ,大きくなるのを待っていたものです。
すこしゆでてから冷やしスライス,サラダにしました。
生のままのほうが風味はよいのでしょうが,キノコを生で食べるのは抵抗があるので,かるくゆでています。
ゆでると酸味が消えるのは,ゆですぎでしょうか(^_^;)。
[写真3]はゆでた後の切断面です。
調理するたびに,獣肉との共通点に驚かされます。
手に持ったときの重量感,手触り。切ると切断面には獣肉のような赤白色の縞模様があらわれ,血のような赤い汁がながれます。熱を加えると,やはり肉のように白くなります。
最近は日本でもたべられるようになってきましたが,昔は誰も食べようとは思わなかったようです。
保育社「原色日本新菌類図鑑」にはつぎのように書いてありました。
『欧米では肝臓茸とか牛の舌茸などの名でよび,古くから食用にしたが,日本人はこの菌に馴染まず,雀巣菌譜(1858)に舌茸一名キツネノシタ,毒菌也としているのが唯一の記録のようである。欧米では生のままサラダにし,またバターでいため植物性ビフテキvegetable befsteakなどと称して食べる。今では日本でも食用にする人が少なくない。』
タグ: | カンゾウタケ
飼育ケースの中でテングチョウが蛹になっていました。
葉裏に,緑色のものと褐色のものが1頭ずつぶら下がっています。
両方ともテングチョウだと思うのですが,私は緑色をした蛹しかみたことがありません。
保育社「原色日本蝶類生態図鑑」によると,テングチョウの蛹の体色は3種類あるそうです。
『蛹の体色には緑色,褐色,白黒まだらのおおよそ3タイプが見られるが,第2回目の成虫として羽化する蛹には,白黒まだらの色彩をもつものは知られていない。第1回目の成虫として羽化する蛹の期間が12日前後であるのに対し,第2回目の成虫として羽化する蛹の期間は,わずかに7日前後である。』
チョウの蛹は,帯で身体を枝にくくりつける帯蛹(たいよう)型とお尻を枝にくっ付ける垂蛹(すいよう)型があります。
アゲハチョウやシロチョウのなかまなどは帯蛹型,タテハチョウのなかまなどは垂蛹型です。
テングチョウはというと垂蛹型なのですが,一見すると帯蛹型のように見えます。帯蛹型なのに,体をくくりつけている糸がないという感じです。
保育社「原色日本蝶類生態図鑑」には次のように書いてありました。
『尾端を強く屈曲させて被蛹化物体の表面に対し,ほとんど平行になるような姿勢をとる。シジミタテハ科の種の中にも垂蛹のものに混じって,シジミチョウ科と同様に葉の表面などで帯蛹になるものがあるが,テングチョウのこの一見きわめて特異な蛹の姿勢も,シジミタテハ科との共通性を示すのであるのかもしれない。垂蛹姿勢をとる日本産蝶類の蛹のなかで,本種のように極端な屈曲状況を表すのは,ギンボシヒョウモン,アサヒヒョウモン,コムラサキ亜科とクロヒカゲモドキがある。』
「写真3」は1週間前の幼虫だった時のものです。シロチョウ科のような青虫です。
体の前半分を持ち上げたポーズをとっていますが,これはテングチョウ独特のもののようです。
保育社「原色日本蝶類生態図鑑」には次のように書いてありました。
『中齢以降の幼虫は腹脚をほぼ中脈上に置き,体の前半部を持ち上げた独特の姿勢をとっている。幼虫を驚かすと,さらにこの姿勢を強めるので,これは一種の威嚇であろうと推定されるが,一方,草本を食べるタテハチョウ科の幼虫の転落前の姿勢にも似ており,糸を引いて落下する行動の準備ではないかという見方もできる。』
タグ: | テングチョウ
エノキの葉にできたエノキハトガリタマフシ[写真1]。エノキトガリタマバエによって形成された虫えい(虫こぶ)です。
カミソリで切って,中を見てみました。側壁はけっこう固く,中は空洞になっています[写真2]。
幼虫が1匹入っていました。 蛹っぽい形をしていますが,これが幼虫で,刺激すると動きます。
虫えいは5~6月に葉から脱落し,地面に落ちます。幼虫はそのまま虫えいのなかで来年の春まで過ごし蛹化,羽化します。[写真3]は虫えいが脱落した跡です。
全国農村教育協会「日本原色虫えい図鑑」には次のように書いてありました。
『年1世代。成虫は3~4月に羽化し,新芽に産卵する。5月下旬までには幼虫も虫えいも成熟し,5~6月には虫えいが地上に脱落する。虫えいが脱落した跡は円形の凹みとして残るので,夏でも虫えいのあったことが分かる。幼虫は地上に落下した虫えいの中で翌春まで過ごして蛹化する。』
この虫えいがあるエノキの葉は,水面に張り出した枝についています。
枝の葉には他にもたくさんのエノキハトガリタマフシがついていましたが,脱落した虫えいはことごとく水面に落下するはずです。
試しに1個,虫えいを水面に落としてみました。沈まずに浮いて流されてゆきます。スプートニクに乗せられたライカ犬を連想してしましました。おーい!大丈夫か。
タグ: | エノキハトガリタマフシ
朝6:55。ミスジチョウが翅をひろげて止まっていました。
近づくと飛び立つのですが,すぐに近くに止まって,また翅をひろげじっとしています。
葉の上にとまっているので吸蜜しているわけではありません。
チョウは変温動物なので,夜の間に体温が下がります。
それで朝になると翅をひろげ,日を浴びて体温を上昇させる必要があります。
このチョウも,太陽エネルギーを充電中というところでしょうか。
翅をひろげてとまっていると,名前のとおり3本の白い筋が目立ちます。
図鑑に載っている写真は展翅した状態のものなので,左右の翅の模様が連続していません。
実際にとまっているところを見ると左右の白い線がつながって見え,名前に納得します。
タグ: | ミスジチョウ
ノアザミの花が咲いていました。
日本には60種以上のアザミがありますが,春咲くのはノアザミだけだそうです。
総苞に触るとねばねばしている,葉の基部は茎を抱いているという特徴があります。
花の頭を触ると花粉が湧き出してきます[写真2]。
「朝日百科 植物の世界」には次のように書いてありました。
『筒状花だけからなり,それぞれ,1本の雌しべを筒状になった雄しべが囲んでいる。花糸は普段は伸びた状態だが,機械的な刺激が与えられると,バネのように縮んで雄しべを引き下げ,雌しべの先にはえているブラシ状の毛が花粉を外にかき出す。昆虫たちがアザミの花にやってくると,花粉が,モコモコとわき出すのはこのためである。』
タグ: | ノアザミ
テングチョウが羽化しました。
昨夜,蛹が変色していたので,今朝は6時から羽化する瞬間を待っていたのですが,羽化したのは結局3時間半後の9時30分でした。
[写真2]は,昨夜10時の蛹です。翅の模様が透けて見えます。
[写真3]は,今朝6時30分の蛹です。全体が黒くなり,顔の部分の殻がすこし浮いています。
[写真4]は,蛹の殻が割れて脱出直前の成虫です。実はこの後,成虫はぽとりと下に落ちてしまいました。枝を差し出すと,つかまり上へ登っていったので,事なきを得ました。
前に観察したときには,殻から抜け出した後,すばやく抜け殻につかまっていたのですが。(→前回の連続写真))
[写真1]は,蛹から脱出したばかりの成虫。翅はしわくちゃです。
テングチョウの名前の由来となった長い下唇鬚(かしんしゅ)は,天狗というよりカラスですね。
保育社「原色日本蝶類生態図鑑」には次のように書いてありました。
『 最大の特徴は下唇鬚(かしんしゅ)が著しく長大で前方へ突出していることで,頭部の形状は特異である。ヤガ科の中に下唇鬚が発達した大群があり,これらは果汁吸収の機能的役割としての必要性から発達したものと考えられるが,蝶の場合,このテングチョウ科とアゲハチョウ科の一部(テングアゲハ属Teinopalpusなど)などのごく少数に限られており,生活するうえにどのように役立っているのかよくわかっていない。』
タグ: | テングチョウ
クサイチゴの実がたくさんなっていたので,ジャムを作りました。
クサイチゴは名前にも「草」とついていて,草本に見えますが,木イチゴのなかまです。
ワセイチゴ,ナベイチゴなどの別名があります。
「牧野新日本植物図鑑」によると,
『草苺は草になるキイチゴの意味。わせ苺は他のものより早期に熟するため,鍋イチゴは果実の集まりが中空であるのを鍋にたとえた。』
[写真3]は4月8日に写した花です。
真ん中にたくさんの雌しべがあり,まわりをこれまたたくさんの雄しべが囲んでいます。
雌しべはそれぞれに独立して子房と柱頭があり,受粉するとそれぞれの雌しべの子房の壁がふくらんで果実となります。
このように1個の花にたくさんの雌しべがあって,それぞれの子房が果実となってまとまったものを「集合果」といいます。
実をよくみると,小さな粒々の一つ一つに短い毛のようなものがついています。これは雌しべの痕跡です。
[写真4]は葉。
『葉は互生。奇数羽状複葉,小葉は3~5片,卵状皮針形あるいは卵状長楕円形,先鋭頭,基部は鈍形または円形,ふちには切れ込み状のきょ歯があり,両面にやや密生する毛があり,長さ3~6cm,幅1.5~3cm。』(牧野新日本植物図鑑)
タグ: | クサイチゴ
玄関の花瓶にさしてあるナンテンの葉裏に,テングチョウの蛹がついていて驚きました[写真1]。
生けた妻も気づいていなかったようで,聞くと庭のナンテンだといいます。
もちろんナンテンはテングチョウの食樹ではありません。近畿ではエノキが食樹のはずです。
保育社「原色日本蝶類生態図鑑」によると,
『北海道や東北地方の一部(青森県・岩手県の一部)ではエノキがないのでエゾエノキを食樹にしているものと思われる。本州の大部分,四国,九州ではエノキを食樹にしている。』
ナンテンの木の近くにエノキがあったかどうか定かでなかったので見にいったところ,実生で大きくなったらしい,ひょろひょろとしたエノキの木が生えていました。
テングチョウが蛹化する場所について,「原色日本蝶類生態図鑑」には次のように書いてありました。
『蛹化は食樹の葉裏で行われることが普通であるが,小枝や樹幹に移って蛹化する場合もある。さらに食樹を離れ,附近の低木や人家の屋根,軒下,板壁などでも蛹化することも多い。』
寄生されていたようで,透かしてみると中は空です。寄生蜂の脱出孔と思われる孔も開いていました。
この蛹の体色は褐色です。
テングチョウの体色は緑色,褐色,白黒まだらの3タイプあるそうです。
以前に見つけた[写真2]のタイプを褐色型だと思っていましたが,[写真2]は白黒まだら型で,[写真1]が褐色型のようです。
タグ: | テングチョウ
ユキノシタの花が咲いていました。
よく見ると変わった花です。5個の花びらのうち,下方の2個が異常に大きくなっています。
『花弁は5個あって,上の3弁は小さく,長さ3mm位。卵形で短い柄があり,淡紅色で,濃い紅色の斑点がある。下の2弁は上弁の4~5倍の長さがあり,皮針形で白色,垂れ下がる。雄しべは10本。花柱は2本。花盤は黄色。』(牧野新日本植物図鑑)
卵型で紅色の斑点がある花びらは,京劇の仮面を連想させます。
そういえば,花の形も人の形に見えますね。
名前の由来について,「牧野新日本植物図鑑」には次のように書いてありました。
『雪の下は多分葉の上に白い花が咲くのを雪にたとえ,その下に緑色の葉がちらちら見える形を表現して名ずけたものであろう。』
タグ: | ユキノシタ
キシタエダシャク。
死んではいないのですが,かなり弱っています・
[写真1]は表側。
[写真2]は裏側。
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2007/6/6
[写真3][写真4]を追加しました。
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触角が櫛歯状でなければ,ヒョウモンチョウのなかまのようです。
保育社「原色日本蛾類図鑑」によると
『♂の触角は櫛歯状。北海道産は一般にやや小型で,黒紋が小さい。7~8月に出現し,山地に多産する。食草はアセビ・レンゲツツジ・ヤマツツジ。』
このあたりは生垣にアセビを使っている家が多いので,アセビを食草にしているのかもしれません。
ネットで調べると,九州ではミヤマキリシマの若芽を食べる害虫のようです。
タグ: | キシタエダシャク