歩道にニイニイゼミが仰向けになっていました。死んでいるのかなと拾い上げると,急に暴れ出しました。♀なので鳴きませんでしたが,♂だといわゆるセミ爆弾になるところでした。
北隆館『日本昆虫図鑑』(1956年)にはニイニイゼミについて,次のように書いてありました。(モノクロ手描き図時代の図鑑なので,各部の形状,色彩が詳細です。)
體長20-25mm,同翅端まで33-38mm。體は細かい淡黄色毛で被われている。頭部及び前胸部は主に暗緑色(死後は黄色となることが多い)に黒斑を有し頭頂には不規則な黒帯があり,顔は黒色,中央に縦溝があり,両側には黄褐色の平行線がある。複眼は暗褐色,單眼は紅色,觸角は黒色,口吻は暗黄色,末端のみ黑色。前胸背は側方に扁平に突出し,側角は角をなす。中胸背は黒色,中央のW狀紋・兩側縁・十字隆起は暗緑色,腹背は大部分は黑色。前翅は無色の地に図に見る如き暗褐色及び灰褐色斑があり,脈は暗黄緑色,後翅は黒色,外縁のみ幅広く無色。腹瓣は幅廣くかつ短かく,後縁弧状をなす。本種は本邦に最も普通な蟬の一種で北海道から本邦全部・台灣・朝鮮まで最も廣く分布し,又支那及びフィリッピン諸島にも産する。7月初より出現し,その聲弱くジージーに近く,9月には全く影を没する。
・體長20-25mm,同翅端まで33-38mm。
・頭部及び前胸部は主に暗緑色(死後は黄色となることが多い)に黒斑を有し頭頂には不規則な黒帯があり,
・顔は黒色,中央に縦溝があり,両側には黄褐色の平行線がある。複眼は暗褐色,單眼は紅色,觸角は黒色,口吻は暗黄色,末端のみ黑色。
・前胸背は側方に扁平に突出し,側角は角をなす。中胸背は黒色,中央のW狀紋・兩側縁・十字隆起は暗緑色
胸部の色彩は緑色から橙色,灰色まで変化が多いようです。
・腹背は大部分は黑色
・前翅は無色の地に図に見る如き暗褐色及び灰褐色斑があり,脈は暗黄緑色,後翅は黒色,外縁のみ幅広く無色。
・腹瓣は幅廣くかつ短かく,後縁弧状をなす
本個体は♀なので腹弁はありません。