鮮やかな紅紫色をした小さな花が咲いていました。
見覚えがあるのですが,名前が出てきません。
もやもやしたまま家に帰り,調べるとゲンノショウコでした。
何度も調べているのに,いつも名前が出てこないのは何故なのか考えてみると,(歳のせいは別として)名前が花の特徴を表していないからではないでしょうか。
別名のミコシグサは,種を飛ばした後の実の様子を神輿に例えているので,こちらは実の形を見れば思い出しそうです(多分)。
しかし花は紅紫色が鮮やかで印象的なものの,意外に特徴のない花です。
『日本の野生植物』(2016年)にはゲンノショウコについて次のように書いてありました。
山野の草地に生える高さ30-50cmの多年草。茎や葉柄に開出毛と下向きの屈毛があり,ときに上部に腺毛が混じる。根出葉は花期にはないかあっても少ない。茎葉の葉身は腎形~円形,幅1-8cm,下部の葉は5中~深裂,上部の葉は3深裂し,裂片は卵形~倒卵形で2-6個の粗い鋸歯があり,上面および下面脈上に伏毛が生え,葉柄は長さ10cm。托葉は膜質,離生し,三角形,長さ3-5mm。花期は7-10月。花は茎頂や枝先に2個ずつつき,紅紫色~淡紅紫色~白色,径1-1.5cm,花序柄と花柄に開出毛と腺毛が密生する。萼片は長さ5-6mm,花弁より少し短く,3脈があり,先端は芒状にとがり,外面の脈上に開出毛と腺毛が密生する。葯は青色~青紫色~淡紅紫色。雌蕊は長さ約5mm。花柱分枝は長さ約2mm。分果は長さ約2cm,短毛と腺毛が密生する。
花が紅紫色のものは西日本に,白色のものは東日本に多く,同一地点に両方の花色の株が見られるところもある。白花品はシロバナゲンノショウコf.pallidum(NakaiexH.Hara)Murataの名がある。八重咲品はヤエザキゲンノショウコf.plenum(Iwata)Murataという。別名のミコシグサとは,種子を飛ばした後,5個の分果が中軸を中心に並んだ様子が神輿に似ているため。
ゲンノショウコは日本の代表的な民間薬の1つであり,江戸時代から用いられるようになった。古くから下痢止めとして用い,煎じて飲むと,薬効がただちに現れたことから,〈現の証拠〉の和名があるという。
・上部の葉は3深裂し,裂片は卵形~倒卵形で2-6個の粗い鋸歯があり,上面および下面脈上に伏毛が生え,葉柄は長さ10cm。
・托葉は膜質,離生し,三角形,長さ3-5mm。
・花期は7-10月。花は茎頂や枝先に2個ずつつき,紅紫色~淡紅紫色~白色,径1-1.5cm,花序柄と花柄に開出毛と腺毛が密生する。
・萼片は長さ5-6mm,花弁より少し短く,3脈があり,先端は芒状にとがり,外面の脈上に開出毛と腺毛が密生する。
・葯は青色~青紫色~淡紅紫色。雌蕊は長さ約5mm。花柱分枝は長さ約2mm。
雄性先熟らしく,雄しべが青紫色をしている時には花柱はまだ分岐していません。
花柱が分岐している花の雄しべは,葯が褐色に変色しています。
・花が紅紫色のものは西日本に,白色のものは東日本に多く,同一地点に両方の花色の株が見られるところもある。
九条山の花は紅紫色です。白色のものは見たことがありません。