砂利道の上で,カミキリがもがいていました。頭部をこすりつけるように,ぐるぐると回っています。割と大きなカミキリで,シロスジカミキリに似ていますが,体色は黄色です。
口の周りに何かがくっついて固まっています。砂利の上でもがくものだから,小さな砂粒がこびりついています。
何なんでしょうか。ピンセットで剥がすと,樹脂のようなものがぽろりと取れました。
剥がした後の口器に異常はありませんでした。
図鑑で名前を調べると,クワカミキリでした。
名前のとおり,クワを食害する害虫です。
クワ以外にもイチジクやケヤキなども食害するそうですが,私はクワカミキリを見たのは初めてです
養蚕業が盛んな頃は,もっとたくさんいたのかもしれません。
北隆館『日本昆虫図鑑』(1956年)には,クワカミキリについて次のように書いてありました。
黒地に褪黄灰色の密毛を被い,やや青味のある黄灰色を呈する.觸角は黒色で第3節以下の基半は青灰色,翅鞘の周縁及び會合線は青白色の短毛によつて縁どられ,腹面は黄色長毛を被覆してビロード状の光澤があり,脚は黄灰色短毛を装い,前脛節は内面に,中脛節は外面に夫々褐色の毛塊を有する.頭は垂直,正中線は溝状をなす.觸角は體より長く,第3節乃至末端節は圓筒状を呈する.前胸兩側には鋭い歯状突起を具え,背面に深い横縮刻を有し,後方部に数個の顆粒を伴い,又正中部は黒色を呈する.翅鞘は圓筒狀で,翅端は狭く截断され,各2棘を有し,肩の頂端に1小突起を出し,翅底に顕著な黒色顆粒多數を散布する.前脛節は弓状に彎曲し,中脛節の端部に截痕がある.體長32-44mm.本州・伊豆大島・佐渡ヶ島・四國・九州・天草・甑島等で極めて普通にみられ,6-8月にかけて出現し,クワの害蟲として著名であるが,又イチジク・柑橘・ビワ・リンゴ・ヤナギ・その他多數の濶葉樹の幹枝に穿孔する.一名ビワムシ・クワノミドリカミキリという.
・觸角は黒色で第3節以下の基半は青灰色
・翅鞘の周縁及び會合線は青白色の短毛によつて縁どられ
・腹面は黄色長毛を被覆してビロード状の光澤があり
・脚は黄灰色短毛を装い,前脛節は内面に,中脛節は外面に夫々褐色の毛塊を有する
・頭は垂直,正中線は溝状をなす
・觸角は體より長く,第3節乃至末端節は圓筒状を呈する
・前胸兩側には鋭い歯状突起を具え,背面に深い横縮刻を有し,後方部に数個の顆粒を伴い,又正中部は黒色を呈する
・翅鞘は圓筒狀で,翅端は狭く截断され,各2棘を有し,肩の頂端に1小突起を出し,翅底に顕著な黒色顆粒多數を散布する
・前脛節は弓状に彎曲し,中脛節の端部に截痕がある
・體長32-44mm