オオシロカラカサタケの過去投稿を一つにまとめました。


2024年9月4日

仁王門通の植樹帯にオオシロカラカサタケが出ていました。以前は珍しい熱帯性のキノコだったのですが,温暖化により全国に拡がっているそうです。

オオシロカラカサタケ
オオシロカラカサタケ[ in南禅寺草川町 on2024/9/3 ]
オオシロカラカサタケ
オオシロカラカサタケ[ in南禅寺草川町 on2024/9/3 ]
オオシロカラカサタケ
オオシロカラカサタケ[ in南禅寺草川町 on2024/9/3 ]

割と大きくて目を引くせいか,既に観察痕がありました。傘が裏返されています。
白いひだが,焦げ茶色に変色しています。

オオシロカラカサタケ
オオシロカラカサタケ[ in南禅寺草川町 on2024/9/4 ]

翌日,全部のキノコが倒されていました。強い毒性のあるキノコなので,誰かが用心のために採取されないようにしたのでしょうか。

オオシロカラカサタケ
オオシロカラカサタケ[ in南禅寺草川町 on2024/9/4 ]
オオシロカラカサタケ
オオシロカラカサタケ[ in南禅寺草川町 on2024/9/4 ]
オオシロカラカサタケ
オオシロカラカサタケ[ in南禅寺草川町 on2024/9/4 ]

2015年9月10日

4日前にポツンと1本だけ生えていた,オオシロカラカサタケと思われるキノコ。
同じ場所に,今度は10本ほどが群生していました。
採集して持ち帰り,名前を調べてみました。
図鑑を見ると,「オオシロカラカサタケ」か「ドクカラカサタケ」か迷ってしまいます。

『山渓カラー名鑑 日本のキノコ』(1988年)には,オオシロカラカサタケとドクカラカサタケについて,次のように書いてありました。

オオシロカラカサタケ

傘は径7~30cm,表面は白色で,帯褐色の鱗片をつける。肉は白色,不変色または多少紅変する。ひだは隔生し,白色のちオリーブ色となる。柄は長さ10~25cm,根もとはふくらみ,上部に厚い可動性のつばをもつ。

夏~秋,芝生,草地などに発生。毒。熱帯~亜熱帯を中心に分布。

ドクカラカサタケ

傘は径8~10cm,表面は白地に淡黄褐色の大きな鱗片をつける。柄は長さ10~12cm,可動的なつばをつける。肉は傷つけば赤変。

秋,タケやぶ,林地に群生。日本。

・傘の径は,オオシロカラカサタケが「7~30cm」,ドクカラカサタケが「8~10cm」。
今回の(開ききっていない)傘の径は9cmほどですが,4日前のものの傘の径は16cmほどあったので,傘の大きさからするとドクカラカサタケではないようです。

・肉は,オオシロカラカサタケは「不変色または多少紅変する」,ドクカラカサタケは「傷つけば赤変」。
[写真8]~[写真10]は縦に切った断面です。
結構,赤変しています。
ドクカラカサタケだけでなく,オオシロカラカサタケも柄やひだを切ると赤変するそうです。

・オオシロカラカサタケのひだは「白色のちオリーブ色となる」。
これがオオシロカラカサタケを見分ける一番の特徴のようです。
採集したものは発生したての若い個体だったので,ひだはきれいな白色をしています。
このあとどう変化したのか見たかったのですが,後日見にいった時には,残っていたキノコは跡かたもなくなくなっていました。

・発生場所は,オオシロカラカサタケが「芝生,草地などに発生」,ドクカラカサタケが「タケやぶ,林地に群生」。
今回のキノコが発生していた場所は,道路沿いの遊歩道のなかです。[写真1][写真2]
「タケやぶ」や「林地」ではなく,「芝生,草地」に該当します。
発生場所,大きさから見て,このキノコはオオシロカラカサタケで間違いないようです。

ランニングで十数年この場所を通っていますが,オオシロカラカサタケを見るのは初めてです。
オオシロカラカサタケが発生したということは,単に見慣れないキノコが発生したという以上の,もっと重要なメッセージが込められているようです。
オオシロカラカサタケは,地球温暖化が原因と思われる分布拡大が続いているキノコなのです。

オオシロカラカサタケは元々が熱帯性のキノコで,冬期の温度が一定以上ないと生息できないと考えられています。
熱帯性きのこ“オシロカラサタケ Chlorophyllum molybdites(Meyer : Fr.) Massee”の日本国内での分布の拡大状況』によると,日本国内での最初の確認例は,1937年(昭和12年)東京府立川町。
1972年に徳島県海部郡,1980年に大阪府高槻市,1991年に千葉県南房総市で確認。
「1990年前後に熊本県,大分県,高知県から近畿地方の兵庫県,京都府で発生が確認され,2000年前後には長崎県,福岡県,滋賀県,岐阜県,茨城県へと分布を拡大した。その後2010年前後には山陰地方,東北の宮城県で発生が確認された。」

地球温暖化による分布拡大の例としてはナガサキアゲハが有名ですが(→2007年5月8日),キノコにもそうした例があるのですね。
知りませんでした。


2018年7月12日

(22)今まで何度も見ていたこのキノコは,オオシロカラカサタケだったのか?(南禅寺)

  • オオシロカラカサタケ?
    »»拡大

    [写真22]オオシロカラカサタケ?

2016年10月4日

・オオシロカラカサタケが蹴散らされていた。〔岡崎〕[写真18]


  • »»拡大

    [写真18]10/4 オオシロカラカサ

2016年9月25日

・オオシロカラカサタケが,傘をひらいてきれいに4本並んでいた。(岡崎)[写真12]


  • »»拡大

    [写真12]9/25 オオシロカラカサタケ

2016年9月15日

・オオシロカラカサタケ。昨年も同じ場所に発生していた。[写真15]


  • »»拡大

    [写真15]9/15オオシロカラカサタケ

2015年9月3日

このところの長雨で,色々なところにキノコが出ています。
マツオウジ[写真1],アカヤマドリ[写真2],フクロツルタケ?[写真3],コガサタケ?[写真4],ドクツルタケに似たキノコ[写真5],シロソウメンタケ[写真6]と,いつもの所にいつものキノコが。
毎日同じコースをまわっていると,名前の分からないキノコはたくさんあるものの,見かけたことがないキノコが出ているのは意外に少ないものです。

そんな中で,[写真7]はこの場所で初めてみるキノコです。
ぽつんと一つだけ,白い大きな傘をひらいていました。
傘の径は16cmほど。
図鑑で調べてみると,オオシロカラカサタケではないかと思うのですが,はっきりしません。

マツオウジについては何度も書いています。
マツオウジの記事一覧

アカヤマドリについても。
アカヤマドリの記事一覧

「フクロツルタケ?」の記事
2012年7月20日

「ドクツルタケに似たキノコ」の記事
2013年7月20日