ヒガンバナが咲いていました。
歩道のブロックを押し上げるようにして生えています。
今年のヒガンバナは何か変です。
毎年,お彼岸の頃に一斉に咲くのに,今年は猛暑のせいか開花が随分遅れ,個体による開花時期のバラツキも大きかったように思います。
植物図鑑を見ていると,ヒガンバナ科にはネギ属も含まれていました。
ヒガンバナとネギが同じ仲間というのもおもしろいですね。
『日本の野生植物』(2016年)にはヒガンバナについて次のように書いてありました。
人家に近い田畑の縁,堤防,墓地などに群生して,花期には人目をひく。秋の彼岸のころ (9月下旬)に開花するのでこの名がある。〈マンジュシャゲ (曼珠沙華)〉ともいわれる。鱗茎は広卵形で外皮は黒い。葉は線形,深緑色で光沢があり,長さ30-40cm,幅6-8mm,花の終わったあと晩秋に現れて束生し,翌年3-4月に枯れる。花茎は高さ30-60cmになる。総苞片は披針形で膜質,長さ2-3cm,花柄は長さ6-15mm。花は朱赤色,花被片は狭倒披針形で長さ約40mm,幅5-6mm,強く反り返り,筒部は長さ6-10mm,喉部の副花冠状裂片はごく小さく不明瞭なものもある。花糸は花冠の外にいちじるしく突出し,細長く,赤色,上方に曲がり長さ約8cm。葯は長楕円状で暗赤色。花柱は糸状で赤色,雄蕊よりも長い。果実は不稔で,種子はできない。まれにできても発芽しないことが多い。北海道~琉球に広く分布するが,もとよりの自生ではなく,昔,中国から渡来したものが拡がったものと考えられる。鱗茎にいろいろなアルカロイドを含む有毒植物であるが,昔は飢饉の時すりつぶし数回水洗いして有毒成分を除き,澱粉をとって食用にした。鱗茎はまた去痰,催吐薬とされる。50以上地方名がある。