ショウリョウバッタの過去投稿を一つにまとめました。
2024年10月19日
道にショウリョウバッタがとまっていました。
逃げないようにそっと撮りましたが,近づいても動く気配がありません。
ゆっくりと手を伸ばして捕まえると,アリが数匹くっついていました。
完全に死んでいるわけではなく,脚が小刻みに震えています。
寿命が近いようです。
平凡社『世界大百科事典』(2007年)には,ショウリョウバッタについて次のように書いてありました。
直翅目バッタ科の昆虫。平地のイネ科草原によく見られる。雄は中型で,飛ぶときに前・後翅を打ちあわせてキチキチという音を出す。一方,日本のバッタ類の中でも最大級の一つとなる雌はより強く飛ぶものの音は出さない。成虫は夏から秋にかけて出現し,11月の終りころにもまだ見られることがある。日本全国に見られ,中国や台湾などにも分布する。イネ科の植物の葉を食べる。体は細長く,体長は雄で40mm内外,雌で80mm内外。緑色か黄褐色をしており,前翅に白紋または白褐紋をもつこともある。頭部は円錐形で細長く,雄ではとくに細く,頭頂部はとがらない。複眼は長楕円形,また触角は剣状で平たい。前翅も細長く,その先端はとがっている。後肢は長く,とくに腿節と脛節(けいせつ)は細長い。
旧暦のお盆(精霊会)のころにもっともよく見られるのでショウリョウバッタの名をもつが,雄の飛ぶときのキチキチという音からキチキチバッタという名もある。この名は現在では近似種との関係で用いられない。後肢の脛節を左右いっしょにしてもつと,関節をばねのようにして体を動かすが,その姿から地方によってハタオリ(機織)と呼ぶところもある。
本種の雄に類似したバッタに,同じころに出現し,本州以南にすむショウリョウバッタモドキがある。これはほとんど飛ぶことがなく,飛んでも音を出さない。またこの種は,草の茎に擬態し,もっぱら草の茎に止まってくらしているので目につきにくい。体は比較的やわらかく,後肢が体長に比してかなり短いから,ショウリョウバッタとの区別は容易である。
・雄は中型で,飛ぶときに前・後翅を打ちあわせてキチキチという音を出す。一方,日本のバッタ類の中でも最大級の一つとなる雌はより強く飛ぶものの音は出さない。
♂の体長は40~50mm,♀は75~80mmです。バッタの体長は,触覚を含まない頭部の先から翅を含まない腹端までを測ります。
この個体は写真から計測すると75mmほどなので,♀です。
脚が長く,触覚もあるのでより一層大きく感じます。
・本種の雄に類似したバッタに,同じころに出現し,本州以南にすむショウリョウバッタモドキがある。
・後肢が体長に比してかなり短いから,ショウリョウバッタとの区別は容易である。
ショウリョウバッタモドキは見たことがありません。ネットで写真を見ると,サイズが小さく脚も短いので姿はかなり違います。ショウリョウバッタモドキの方が目にする機会は少なく,モドキなどという二流品のような名前がついていますがこちらの方が貴重種といえます。姿は地味ですが。
2019年8月18日
(21)ショウリョウバッタが死んでいた。アリがたかっている。(九条山)
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[写真21]ショウリョウバッタ死骸
2018年7月28日
(53)ショウリョウバッタ♀(♂は♀より極端に小さい)。ショウリョウは「精霊」で,お盆のころに見られるからとか。(岡崎)
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[写真53]ショウリョウバッタ♀
2003年9月15日
大きなショウリョウバッタです。メスの方がオスより大型で,日本産バッタの中で最大となります。旧暦のお盆(精霊会)のころによく見られるので,この名前がついたそうです。