シロハラの過去投稿を一つにまとめました。
2024年11月24日
車道脇に小鳥が死んでいました。
外傷はなく,体には朝露が降りています。
一晩ここで過ごしたのでしょうか。
ムクドリくらいの大きさです。
黄色いアイリングと腹面の白さが目立ちます。
ひっくり返すと背面は褐色でした。
図鑑で調べると,体の特徴はシロハラのようです。
シロハラならよく見かける鳥です。
目をつぶって横たわる姿はずいぶん印象が違いますね。
特徴的なきょろっとした目が閉じられているせいでしょうか。
『改訂新版 世界大百科事典』にはシロハラについて,次のように書いてありました。
スズメ目ヒタキ科の鳥。全長約25cm。雄は頭頸(とうけい)部が灰黒色,背はオリーブ褐色で,胸からわきにかけては灰褐色である。雌は雄より全体に淡く,とくにのどが黒っぽくない。アムール地方,沿海州,中国東北部,朝鮮半島で繁殖し,冬季,日本,台湾,中国東部に渡る。日本には冬鳥として10,11月に渡来するが,北海道では春と秋の渡りの時期に通過するだけである。おもに平地から低山帯の森林,低木林,公園の林に生息する。渡りの時期を除いては単独で生活し,地上では両脚をそろえて跳びはねることが多く,落葉やごみをくちばしではらいのけて食物をさがす。また庭先にもやってきて,カキやピラカンサの実をよく食べる。警戒時にはキョッキョッと鳴き,飛びたつときにはシーと鳴く。対馬では夏季にも見られるといわれるが,詳しいことはわかっていない。繁殖習性はアカハラやクロツグミなどに似ている。
「雌は雄より全体に淡く,とくにのどが黒っぽくない。」とあるので,この個体は♀のようです。
「日本には冬鳥として10,11月に渡来する」とあります。アムール地方から飛んで来て,ここで力尽きたのでしょうか。
写真を見ると,下側になっていた方の眼に小石が刺さっています。
落下したときの衝撃で刺さったと考えると,やはり空を飛んでいる途中で力尽きた?
2015年2月15日
今朝,見かけた鳥3種。
ルリビタキ(♀),シロハラ,イカル。
ルリビタキは,オスとメスで体色が異なります。
オスは名前のとおり瑠璃色(青色)をしていますが,メスはオリーブ褐色の落ち着いた色をしています。
尾羽だけはオスと同じように瑠璃色をいているのが,おしゃれですね。
脇羽が橙色をしていて,よく似ているジョウビタキのメスとの識別点になります。[写真1]
町内でよく見かける鳥なのですが,いつも地味な色をしたメスばかりで,オスは見たことがありません。
今までに書いたルリビタキの記事を見返しても,メスばかりです。
→2014/3/13 →2013/3/31 →2008/2/26
ところが,若いオスはメスと同じような体色をしているとか。
今までメスと思っていた個体も,若いオスだった可能性があります。
河合敏雄著『京都の野鳥図鑑』(1991年)には,ルリビタキについて次のように書いてありました。
夏期,アムール川やウスリー川流域で子育てするようですが,北海道東部や本州の亜高山針葉樹林でも営巣します。京都へは10月下旬以降,各地の山麓へ来る漂鳥です。
体長15cmぐらいで雌雄異色。雄は頭頂から背,尾先にいたるまで上面はその名の通り,美しい瑠璃色です。上嘴の生えぎわ付近に白斑があり,喉から下尾筒まで白色。脇羽は雌雄共に橙色です。雌の上面はオリーブ褐色で地味です。薄暗い林地を好み,地上付近で単独生括をし,特定の下枝や根株の突出部を止まる場所に決めています。ときどき,尾羽方をフラッシュさせ低い声でクヮクヮと鳴き,昆虫やクモを見つけると素早く捕えて元の場所へ戻ります。ウルシやヒサカキの実も好食します。
・京都へは10月下旬以降,各地の山麓へ来る漂鳥
「漂鳥」とは国内で短い渡りをする鳥のことで,京都へは10下旬以降に姿を現し,暖かくなると姿を消すようです。
シロハラもよく見る鳥です。
→2010/3/26 →2010/3/14 →2006/4/19
同書には,シロハラについて次のように書いてありました。
体長約24cm,ツグミやアカハラぐらいでアカハラの近縁種です。雌雄ほぼ同色で,頭部から尾羽にかけて暗緑褐色。腹面は,その名の通り白っぽい鳥です。眼には黄色のアイリングかあるので,よく目立ちます。
里山のよく茂った林や山麓にある神社仏閣,庭園などの暗い茂みの地上を好み,単独で地表の落葉を嘴で次々とひっ繰り返してミミズや昆虫を捕食するので,「木葉返し」「ごみ掻き」「芝掘りツグミ」「薮シナイ」などと呼ばれています。何か異常を感じるとクワックワッ,グジュグジクヮと警戒声を発し,尾羽の外側にある白羽をちらつかせて低く飛び去ります。ウスリ川流域の森林で繁殖し,マミチャジナイに続いて9月下旬に飛来する冬鳥です。
・眼には黄色のアイリングかある
[写真3]を見ると,確かに眼の周りに黄色の輪があります。
イカルもよく見かける鳥で,過去の記事を見返してもたくさん出てきます。
冬の間は自然観察の話のタネがなくて,ついイカルを取り上げてしまいます。
→2014/4/3 →2009/1/27 →2008/3/15 →2008/3/12 →2007/2/7
→2006/12/19 →2006/2/5 →2005/4/21 →2005/2/9 →2005/1/6
同書には,イカルについて次のように書いてありました。
春とは名のみ,吹く風がまだ寒い日にエノキやイチョウなど高木の梢から「キーコーキー,お菊二十四,月星ヒー……」と,澄んだ明るい声でよく鳴くので三光鳥と呼ぶ人もあります。
本州北部や北海道,東アジア東部が繁殖地で,冬期には暖地へ移動する漂烏です。ムクドリぐらいで尾羽が長め。嘴はブンチョウ型で太短く,大型で黄色いのが特徴です。背面や下面は明るい灰色で,頭頂部や眼,嘴の周囲,翼や尾羽は光沢のある藍黒色です。初列風切羽に白斑があるので枝上や飛翔時によく目立ちます。ときどき,キョッキョッと鳴きながら波状に飛びます。エノキやムクなどの実をくわえて外皮を除くために巧みにくるくる回すので「豆回し」とか,「豆どり」と呼んでいます。
・頭頂部や眼,嘴の周囲,翼や尾羽は光沢のある藍黒色
頭部の藍黒色と嘴の黄色の対比が,独特の風貌を作っています。
3種はいずれも漂鳥や冬鳥で,京都では冬の間だけ見られる鳥です。
冬は落葉樹の葉が落ちて鳥の姿を見つけやすいということもあると思うのですが,それだけではなく実際に活動している種類数も,京都では夏よりも冬の方が多いような気がします。
2010年3月26日
[写真1]2010年3月18日
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[写真2]2010年3月18日
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[写真3]2010年3月26日
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[写真4]2010年3月26日
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[写真5]2010年3月26日
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[写真6]シロハラが開けた穴
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2週間前に見つけて以来(→2010年3月14日),毎朝同じ場所でシロハラを見かけます。
人にも少し慣れたようで,あまり逃げません。
嘴を土に何度も何度も突き刺しながら,歩き回っています。
毎朝来るというのは,よほど虫を捕るのによい場所なのでしょうか。
おかげで地面は穴だらけになっています。[写真6]
2010年3月14日
南禅寺参道のマツ並木に降り立ったシロハラ。
逃げないでくれと祈りながら急いでカメラを取り出し,何枚か写真を撮ることができました。
ぶれないように慎重に構えていると,自然に息を止めているものなのですね。
飛び立ったあと,初めて息が苦しいのに気付きました。
シロハラは以前に名前を調べた覚えがあります。(→2006年4月19日)
ヒヨドリくらいの大きさの,目立つ模様のない地味な鳥というのが特徴で,時々家の周りでも見かけます。
『小学館のフィールド・ガイドシリーズ1 日本の野鳥』(1989年)には,シロハラについて次のように書いてありました。
ウスリー,中国北部から,日本に渡ってくる冬鳥。薄暗い林の中で生活しているので姿を見る機会は少ないが,個体数がそれほど少ないわけでもない。この鳥も,昔は霞網猟の対象としてたくさんとられていた。
おもに平野部で生活し,都会の庭にもくることがある。昆虫やミミズなどを主食にしているが,冬には草本の実も食べる。名前は上面が灰褐色で下面が白いことからきているが,これといって特徴のある模様がない地味な鳥である。
冬,山道を歩いていて,突然,クワッ,クワッとか,シーと大きな声を立てて飛び立つ黒っぽい鳥は,この鳥の場合が多い。
分布:分布は非常に狭く,ウスリー,中国北部。日本には冬鳥として渡ってきて積雪の少ない地方で越冬する。
見分け方:雌雄ほぼ同色。雄は頭の部分が黒味が強く,雌は全体に色が淡く喉が白色。
全長:23cm。(ツグミ亜科)
『山渓カラー名鑑 日本の野鳥』(1996年)には,次のように書いてありました。
冬の林の地面からキョキョッと鳴いて飛び立つ,尾の先に白斑のある鳥。ウスリー地方で繁殖し, 日本には冬鳥として渡来して積雪の少ない地方で越冬する。対馬でも繁殖期にさえずりが聞かれた例があり,繁殖の可能性もあるが未確認である。
生活 越冬期には低山や丘陵の下生えのある,よく茂った林に棲息する。地上で採餌し,落ち葉をはねのけてミミズや昆虫などを探す。木の実を食べることもある。他のツグミ属の越冬場所と比較すると, もっとも開けた環境に棲むのはツグミで,畑や川原にも多い。アカハラは林のへりや木のまばらに生えた所を好み,葉を落とした枝にも出てきて本の実をついばんだりする。この両種は観察するチャンスも多い。シロハラは林から出ることは少なく,落葉樹林でも,ササなどの下生えが茂っていれば棲息する。 トラツグミは主に,冬も葉を落とさない常緑樹林に棲息する。こうした棲み分けは,地上でよく採餌するという,似た習性を持った鳥が共存していくのに役立っているであろう。
声 春期の渡去時に短くさえずることがあるが,対馬の御岳では6月に本格的なさえずりを聞いた。木の枝先にとまって「キィチョロリー,キィチョロリー」と聞かれるクロツグミに似た明るい声や,少し濁った「ジィチョロリー, ジジッチリリィー」と聞かれる声で盛んにさえずっていた。地鳴きは「クヮッ」とか「キョッキョッ」という声で,冬期にもよく聞かれる。
見分け方 アカハラとは,脇腹が赤くないこと,尾の先に白斑が出ることに注意して見分ける。
2022年2月10日
(26)シロハラが地面のミミズをつついていました。体より大きなミミズです。大事な獲物を逃すまいとこちらを気にしながら,何とか持ち運ぼうとしていました。
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[写真26]シロハラ
2021年2月25日
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[写真20]シロハラ
2018年3月1日
・シロハラが歩きまわりながら,餌をついばんでいた。シロハラは冬鳥で,4月中旬には繁殖地へ帰ってゆく。(九条山)
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[写真1]シロハラ
2017年2月20日
・厚く積もった落葉の上を,嘴でつつきながら歩き回るシロハラ。人がそばにいるのに,逃げようとしない。〔九条山〕
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[写真22]2/20 シロハラ
2017年1月10日
・屋根の上のシロハラ。落ちている木の実を探して歩き回っていた。〔九条山〕[写真11]
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[写真11]1/10 シロハラ
2006年4月19日
シロハラ? ヒヨドリぐらいの大きさでした。シロハラは冬鳥として渡来し,4月中旬に繁殖地であるウスリー地方へ帰って行くそうです。