キチョウが地面に横たわっていました。
時おり翅をばたつかせるのですが,飛べないようです。
翅に欠損はなくきれいな状態です。
羽化したばかりだったのかもしれません。
2005年以降,本土のキチョウはキタキチョウと呼ばれています。
キタキチョウは季節型がはっきりしています。
秋型は前翅外縁部の黒斑が薄くなり,翅裏に濃褐色の斑点が現れるそうです。
この個体もまさに秋型の特徴をよく表しています。
前翅を透かすと中室下部に黒い線が見えます。
これは♂を示す特徴(性標)です。
翅脈を調べるために鱗粉を取ろうとしたのですが,なかなかうまく行きませんでした。
先ず水で洗い流すことを試みたのですが,水をはじいてしまって濡れもしません。
これほど撥水性があるとは思いもよりませんでした。
鱗粉に翅が濡れるのを防ぐ役割があるのは確かですね。
物理的にこすり取るしかないようなのですが,簡単に指にもくっつくものの,全部きれいに取るとなると大変です。
下にティッシュペーパーを敷いて,上から綿棒でたたいて,地道にとりました。
翅は薄くて破れやすく,すっきりと鱗粉を取るよい方法はないものでしょうか。