水路の土溜まりに,白い小さな花が咲いていました。ようやく季節が動き出した感じがします。

タネツケバナ
タネツケバナ[ in南禅寺福地町 on2025/3/13 ]

タネツケバナだと思うのですが,タネツケバナ属には似た種類が多いので紛らわしいです。

・先ず,生えている場所が湿性地なので,ミチタネツケバナではありません。
(ミチタネツケバナは道端などの乾燥した裸地を好みます。)

タネツケバナ
タネツケバナ[ in南禅寺福地町 on2025/3/13 ]

・茎の基部が暗紫色で短毛があるのでオオバタネツケバナではありません。
(オオバタネツケバナの茎は緑色で無毛です。)

タネツケバナ(茎基部)
タネツケバナ(茎基部)

・雄しべが6本あるので,コタネツケバナではありません。
(コタネツケバナは4本です。)

タネツケバナ(雄しべ)
タネツケバナ(雄しべ)

『改訂新版 日本の野生植物』(平凡社 2016年)には,タネツケバナについて次のように書いてありました。

水田や畑,道ばたなどに多い越年草,ときに一年草。茎は下部から枝を分け,多少毛があり,高さ10~30cmになる。葉は羽状複葉で,全長は2.5~9cm。根出葉はロゼット状になって茎葉よりも大きいが,一年草の生活型のものでは小さく少ない。小葉は1~8対あり,長楕円形~円形,欠刻状の鋸歯があるか,茎葉ではときに全縁に近く,無柄か有柄,頂小葉はやや大きい。花期は3~5月。萼片は長楕円状卵形,紫色をおび,長さ約2mm。花弁は白色,倒卵形で長さ3~4mm。長角果は線形,長さ1~2cm,幅は約1mm,無毛で,直立する。種子は1列,広卵形で,長さ約1mm。

・茎は下部から枝を分け,多少毛があり,高さ10~30cmになる。

タネツケバナ(茎)
タネツケバナ(茎)

・葉は羽状複葉で,全長は2.5~9cm。

タネツケバナ(葉)
タネツケバナ(葉)

・根出葉はロゼット状になって茎葉よりも大きいが,一年草の生活型のものでは小さく少ない。

タネツケバナ(根出葉)
タネツケバナ(根出葉)

・小葉は1~8対あり,長楕円形~円形,欠刻状の鋸歯があるか,茎葉ではときに全縁に近く,無柄か有柄,頂小葉はやや大きい。

タネツケバナ(羽状複葉)
タネツケバナ(羽状複葉)

・花期は3~5月。
咲き始めたのは3月に入ってからです。

・萼片は長楕円状卵形,紫色をおび,長さ約2mm。

タネツケバナ(萼)
タネツケバナ(萼)

・花弁は白色,倒卵形で長さ3~4mm。

タネツケバナ(花弁)
タネツケバナ(花弁)

・長角果は線形,長さ1~2cm,幅は約1mm,無毛で,直立する。

タネツケバナ(長角果)
タネツケバナ(長角果)

・種子は1列,広卵形で,長さ約1mm。

タネツケバナ(種子)
タネツケバナ(種子)