疎水のレンガ敷に,白い星型の花殻が散らばっていました。

しばらく歩くと安養寺の石段にも,同じ白い花殻が落ちています。

見上げると,長い花柄をつけた花がたくさん垂れ下がっていました。
エゴノキです。

花弁が5枚あるように見えますが,落ちていた花を切り開くと花弁は筒状で,雄しべの基部が合着しています。

ツバキの花に似ていますね。
ツバキと同じように合弁花と見えて実は離弁花だろうと思ったのですが,エゴノキ科は合弁花でした。
紛らわしいですね。
合弁花も発生の過程では5枚の花弁が伸び,花弁の間の組織が伸びて一つに融合するそうです。
北隆館『牧野日本植物図鑑』(2017年)にはエゴノキの花について次のように書いてありました。
5~6月,小枝の先端に総状花序を出し,1~6個の白花を開く。花は長さ2~3cmの柄の先端に垂れ下がってつき,がくは緑色,5裂して杯状をなし,花冠は5深裂し,径約2.5cm,裂片は細長い卵形で外面に細かい毛を密生する。雄しべは多数で葯は黄色。
・小枝の先端に総状花序を出し,1~6個の白花を開く

・花は長さ2~3cmの柄の先端に垂れ下がってつき,がくは緑色,5裂して杯状をなし

・花冠は5深裂し,径約2.5cm,裂片は細長い卵形で外面に細かい毛を密生する。


花を水に乗せると浮きます。
落ちた花が水に浮き流される様は,古くから歌に詠まれています。
「えごの花 ながれ溜れば にほひけり」 中村 草田男

葉は長さ3~7mmの柄があり,互生,卵形で先端は尖り,わずかに先の鈍いきょ歯がある。

