キチョウ(キタキチョウ)が3頭ふらふらと漂うように飛び交っていました。
2頭の姿が見えなくなったので消えたあたりを探すと,ハギの葉につかまり交尾していました。

ケースをそっとかぶせても,逃げることなく交尾を続けています。

当然,どちらかが♂で,もう片方が♀です。
2頭の前翅外縁部の黒斑の濃さが違うので紛らわしいですが,これは性差ではありません。
発生した時期の違いによる季節型です。
黒斑の濃い方が夏型,薄い方が秋型です。
♂は夏型で,♀は秋型でした。


保育社『原色日本蝶類図鑑』(1976年)には,キチョウの雌雄の区別について次のように書いてありました。
〈雌雄の区別〉各季節の型を通じて,それぞれ♂の地色は黄色,♀は淡黄色。♂には前翅裏面下縁近くに性標がある。翅表外縁に黒帯のある型の場合は♀の黒帯が♂よりも発達する。
♂前翅の性標は光に透かすと黒い筋がはっきりとわかります。
