キチョウ(キタキチョウ)が3頭ふらふらと漂うように飛び交っていました。
2頭の姿が見えなくなったので消えたあたりを探すと,ハギの葉につかまり交尾していました。

キタキチョウの交尾
キタキチョウの交尾[ in南禅寺福地町 on2025/10/9 ]

ケースをそっとかぶせても,逃げることなく交尾を続けています。

キタキチョウの交尾
キタキチョウの交尾[ in南禅寺福地町 on2025/10/9 ]

当然,どちらかが♂で,もう片方が♀です。
2頭の前翅外縁部の黒斑の濃さが違うので紛らわしいですが,これは性差ではありません。
発生した時期の違いによる季節型です。
黒斑の濃い方が夏型,薄い方が秋型です。
♂は夏型で,♀は秋型でした。

キタキチョウ(夏型:♂)
キタキチョウ(夏型:♂)
キタキチョウ(秋型:♀)
キタキチョウ(秋型:♀)

保育社『原色日本蝶類図鑑』(1976年)には,キチョウの雌雄の区別について次のように書いてありました。

〈雌雄の区別〉各季節の型を通じて,それぞれ♂の地色は黄色,♀は淡黄色。♂には前翅裏面下縁近くに性標がある。翅表外縁に黒帯のある型の場合は♀の黒帯が♂よりも発達する。

♂前翅の性標は光に透かすと黒い筋がはっきりとわかります。

キタキチョウ(♂の性標)
キタキチョウ(♂の性標)