美術館エントランスの床にカゲロウが死んでいました。
短い寿命が尽きたようです。

モンカゲロウ
モンカゲロウ[ in岡崎成勝寺町 on2026/4/15 ]

カゲロウは飛ぶさまも弱々しく、その儚さを陽炎に例えた名がついています。
水中で孵化した後、そのまま長い期間を水の中で過ごし、ようやく羽化した後は数時間から数日で命を終えます。
「ありと見て手にはとられず見ればまた ゆくへもしらず消えしかげろふ」(『源氏物語』「蜻蛉」巻)

『原色日本昆虫図鑑』(保育社 1977年)の検索表で名前を調べてみました。
1.前翅のM(中脈)は基部でCuA(A肘脈)から著しく広がっている
……モンカゲロウ上科
2.前翅のA1(第1臀脈)は分岐しない
3.前翅のMP(P中脈)は基部ちかくにおいてCuAに向かって強く湾曲する
……モンカゲロウ科

モンカゲロウ(翅脈)
モンカゲロウ(翅脈)

モンカゲロウ科のようです。
『原色昆虫大圖鑑 新訂』(北隆館 2008年)には、モンカゲロウ科について次のように書いてありました。

日本産モンカゲロウ科はモンカゲロウ属 EphemeraLinnaeus のみ。日本産4種。体長20mm内外。各産地では普通種。成虫の複眼は大きく左右に分離するが上下に明瞭に二分されることはない。付節第1節は脛節に癒合するため,前脚付節の第1節はきわめて短く確認しにくい。尾毛は3本。

成虫の複眼は比較的大きく頭部側面に位置し,翅は透明~淡褐色で多くは濃褐色の斑紋をもつ。日本産力ゲロウのうち大型のグループ。すべて成虫と幼虫の関連はついている。幼虫および成虫の同定は,従来から腹部背面の斑紋によっているが,斑紋の不明瞭な個体(なかでも8,9腹節)が少なくないことから注意が必要である。

「同定は,従来から腹部背面の斑紋によっている」そうですが、翅に褐色の斑紋があることからモンカゲロウで間違いないようです。
同書にはモンカゲロウについて次のように書いてありました。

腹節背面の斑紋は逆八字紋で,第7~9腹節の中央に1本の縦状紋がない。幼虫は腹節の斑紋が太く,第7~9腹節の中央に1本の縦状紋はない。左右の後単眼間に黒色の斑紋があり,その斑紋はつながる。山麓部から平野部に多い。本州では晩春に集中的に羽化する年1世代。分布:北海道・本州・四国・九州

モンカゲロウ(腹部背面)
モンカゲロウ(腹部背面)
モンカゲロウ(側面)
モンカゲロウ(側面)
モンカゲロウ(腹面)
モンカゲロウ(腹面)
モンカゲロウ(翅)
モンカゲロウ(翅)