コオニヤンマの過去投稿を一つにまとめました。


2026年6月1日

道に大きなトンボが死んでいました。
アリは集っていません。死んだばかりなのでしょうか。
まだそんなにトンボの姿を見ない時期なので、大きなトンボが死んでいるのが意外な気がしました。

コオニヤンマ
コオニヤンマ[ in粟田口大日山町 on2026/5/29 ]
コオニヤンマ
コオニヤンマ[ in粟田口大日山町 on2026/5/29 ]

オニヤンマに似ているのですが、左右の複眼が接していないのでヤンマではありません。
サナエトンボの仲間のコオニヤンマです。
早苗(さなえ)トンボの名前からすると、今の時期に飛び回っていても意外でもなんでもないですね。
過去の投稿記事を見ても5月末に羽化殻を見つけています。

コオニヤンマは名前の通りオニヤンマによく似ていますが、オニヤンマ(体長約100mm)より一回り小さいです。この個体は体長90mm。

コオニヤンマ(側面)
コオニヤンマ(側面)

体のわりに頭が小さく、少しアンバランスな感じがします。

コオニヤンマ(上面)
コオニヤンマ(上面)
コオニヤンマ(下面)
コオニヤンマ(下面)

左右の複眼は離れています。オニヤンマはくっついています。

コオニヤンマ(胸部側面)
コオニヤンマ(胸部側面)

副性器と尾部付属器があるので♂です。

コオニヤンマ(腹部側面)
コオニヤンマ(腹部側面)

後肢が異常に長いです。

コオニヤンマ(肢)
コオニヤンマ(肢)

翅胸部前面の紋はほぼ平行です。

コオニヤンマ(翅胸部前面)
コオニヤンマ(翅胸部前面)

翅の三角室は,前・後翅とも同じ向きです。

コオニヤンマ(翅)
コオニヤンマ(翅)

2022年7月1日

コオニヤンマ(雌)が草の葉にとまっていました。少し目を離すとどこにとまったか分からなくなります。トンボの細い体と透明な翅は姿を隠すのに役立っているのですね。

コオニヤンマ♀
コオニヤンマ♀(at南禅寺福地町)
コオニヤンマ♀
コオニヤンマ♀(2013年6月18日)(at南禅寺草川町)

2021年6月9日

(26)土塀の裾にコオニヤンマのヤゴがへばりついていました。石垣に爪を引っ掛けて,がっしりと体を固定しています。これから羽化が始まるようです。(6時46分)(南禅寺)
(27)30分後に見ると,羽化の途中でした(7時16分)。羽化が始まって10分ほど経っているようです。これから体全体を引き出し,羽根を広げ,体を乾かせて飛び立つまでに,あと2時間ほどかかります。
 ■コオニヤンマの羽化について→2013年6月13日

  • コオニヤンマ(幼虫)
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    [写真26]コオニヤンマ(幼虫)
  • コオニヤンマ(羽化)
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    [写真27]コオニヤンマ(羽化)

2013年6月19日

コオニヤンマの羽化したばかり個体(♀)を使って,トンボ成虫の各部の名称とコオニヤンマの特徴を調べてみました。

北海道大学図書刊行会『原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑 』(1999年)には,コオニヤンマについて次のように書いてありました。

腹長♂53~66mm,♀52~62mm。後翅長♂46~54mm,♀48~56mm。
 日本産サナエトンボ科中最大の種類で,世界でも屈指の大きさにランクされる。体のわりに頭が小さく,複眼が左右にやや広く離れてつく。側単眼の斜め後ろに1対の角状突起があり,また後頭の後緑が平たくもりあがって1対の三角形状の突起となるのが特徴。
 体色は黒色の地に黄色い条斑がある。 ♂ ♀で差がなく,成熟してもあまりかわらない。頭部は顔面が黒く,前額と大顎の基部前面が黄色。複眼は未熟なうちは黄褐色をしているが,成熟すると緑色に輝く。胸部は翅胸前面が黒色。背隆線の下方に襟条に連ならない細い黄色条がある。背隆線の両側に1対の黄色条がある。この黄色条は一般に襟条と連なってL字形を呈するが,襟条と離れている個体もある。前肩条とその上部の小黄色点はともにないが,下端に小黄色点のあるものがある。胸側は黄色。第1側縫線の黒色条は上部が細いが,第2側縫線の黒色条は太く,しばしば下部が癒合している。はほぼ無色透明。翅脈・縁紋はともに黒い。は黒色で長く,特に後肢の腿節が太くて著しく長い。腹部は黒く,第1 ・ 2節の背面正中線上に黄色条がある。第3~8節の前縁に背面中央でわずかに切れた幅の広い黄色環状斑がある。第7~9節はあまり広がらない。 ♂の尾部上付属器は太短く,内側へ鉤形に曲がって先端が鋭く尖る。 ♀の産卵弁は小さく,先端がごくわずかへこんだ台形をしている。尾毛は短く,鈍頭の棘状。

・腹長♂53~66mm,♀52~62mm。後翅長♂46~54mm,♀48~56mm。
[写真1],[写真2]は,全身をスキャナーで撮影したものです。
[写真2]で計測して見ると,腹長 58mm,後翅長 54mm。
♀としては標準的な大きさのようです。

・体のわりに頭が小さく
横側からの写真[写真2]を見ると,トンボとしてはアンバランスなほど頭が小さいですね。

・複眼が左右にやや広く離れてつく
左右の複眼が接することなく,離れてつくのが,サナエトンボ科の特徴です。[写真4]

・側単眼の斜め後ろに1対の角状突起があり,また後頭の後緑が平たくもりあがって1対の三角形状の突起となるのが特徴。
[写真4]にある二組の突起が,コオニヤンマの特徴です。
 (引用文中の「側単眼」は誤植? 3個ある単眼の内,端側のものを側単眼というのかなと思ったのですが,調べてみると「側単眼」は幼虫時代に複眼の代わりになる単眼で,成虫にある「背単眼」とは区別されるもののようです。)

・体色は黒色の地に黄色い条斑がある。 ♂ ♀で差がなく,成熟してもあまりかわらない。
この個体は羽化したばかりの♀ですが,体色は成熟した♂(→2008/8/21)と比較してもほとんど変化はありません。

・頭部は顔面が黒く,前額と大顎の基部前面が黄色。
前額(ぜんがく)の黄色は非常に人目を引く一方,大顎基部の黄斑は目立たない特徴ですが,サナエトンボのなかまでは同定の手がかりになるようです。[写真4]

・複眼は未熟なうちは黄褐色をしているが,成熟すると緑色に輝く
成熟した個体

・胸部は翅胸前面が黒色。背隆線の下方に襟条に連ならない細い黄色条がある。背隆線の両側に1対の黄色条がある。この黄色条は一般に襟条と連なってL字形を呈するが,襟条と離れている個体もある。
トンボの各部名称は複雑で,背隆線(はいりゅうせん)がどこを指すのかだいぶ迷いました。
背隆線の両側にある1対の黄色条は「一般に襟条と連なってL字形を呈するが,襟条と離れている個体もある」。
羽化した3頭の個体は,いずれも「襟条と離れている個体」でした。[写真5]

・前肩条とその上部の小黄色点はともにないが,下端に小黄色点のあるものがある。
3頭の個体はいずれも,前肩条(ぜんけんじょう)の下端に「小黄色点」がありました。[写真5]

・胸側は黄色。第1側縫線の黒色条は上部が細いが,第2側縫線の黒色条は太く,しばしば下部が癒合している。
3頭の個体はいずれも,第1側縫線と第2側縫線の黒色条が「下部が癒合している」個体でした。[写真6]

・翅はほぼ無色透明。翅脈・縁紋はともに黒い。
[写真1]

・肢は黒色で長く,特に後肢の腿節が太くて著しく長い。
[写真7]

・腹部は黒く,第1 ・ 2節の背面正中線上に黄色条がある。第3~8節の前縁に背面中央でわずかに切れた幅の広い黄色環状斑がある。第7~9節はあまり広がらない。
[写真3]

・♀の産卵弁は小さく,先端がごくわずかへこんだ台形をしている。尾毛は短く,鈍頭の棘状。
[写真8]


2013年6月18日

疏水の石垣で見つけた羽化直前のヤゴは,昨日までで3頭になります。(6月5日12日,17日)
羽化したのは,いずれもコオニヤンマのメスでした。

これらの個体がコオニヤンマで間違いないかどうか,北海道大学図書刊行会『原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑 』(1999年)に載っている検索表を使って,順番に検索してみました。

① 前翅と後翅の形が違う。翅に三角室がある。[写真1]

トンボは,前翅と後翅の形によって,大きく均翅亜目と不均翅亜目の2種類に分けられます。
前翅と後翅の形がほぼ同じで四角室があるのが,均翅亜目。
前翅と後翅の形が異なり,三角室があるのが,不均翅亜目。
→不均翅亜目に該当

② 翅の三角室は,前・後翅とも同じむき。[写真1]
エゾトンボ科・トンボ科は,前翅と後翅では三角室の向きが違います。
→ヤンマ科かサナエトンボ科かオニヤンマ科かムカシヤンマ科である

③ 複眼が離れている。[写真2]
二つの複眼が広く接していればヤンマ科です。
→ヤンマ科ではない

④ 下唇中片の中央に裂け目がない。[写真3]
  翅の縁紋は中央の幅が広くなっている。[写真4]
  産卵弁がある。[写真5]
→サナエトンボ科(15属)である

⑤ 翅胸部背隆線に黄白部があり,襟条とつながっていない。[写真6]
→アオサナエ属かホンサナエ属かオナガサナエ属かコオニヤンマ属である

⑥ 翅胸部前面の紋はほぼ平行[写真6]
  尾部上付属器が短く,黒色(♂)
  尾毛が黒色(♀)[写真5]
→コオニヤンマ属(1種)
 コオニヤンマ

以上のとおり,コオニヤンマ(♀)で間違いないようです。


2013年6月13日

今朝(2013/6/12),羽化前のヤゴが石垣にへばりついているのを見つけました。[写真1]
というのも,先日,羽化途中のコオニヤンマを見つけてから(→2013年6月8日),ヤゴがいないか気をつけて見るようにしていたのです。

這い出してきて,それほど時間がたっていないのか,体がまだ濡れています。
家に持ち帰り,羽化を観察してみました。

最初はチョウを羽化させた経験から,細い木の枝に登らせようとしたのですが,登ろうとしません。
よく考えたら,発見した場所では枝ではなく壁を登っていました。
枝ではなく壁にしなければと思い,段ボールで壁をつくり登らせてみました。
しかし這い上がるものの,てっぺんまで登り詰めては落ちる,また登らせる落ちる,あちこち動き回るを繰り返し,ようやくてっぺんで体を落ち着かせました。
(段ボールを使用したのは,結果的に適切ではなかったように思います。滑らかな表面に,ヤゴは爪がかかりにくく,体を固定するのに苦労していました。写真うつり的にも,段ボールではなく,もう少し太い木の枝とかにした方がよかったかなと思っています。)

7時13分のヤゴ発見から3時間ほど経った,9時58分にようやく羽化が始まりました。
小さな翅の間が左右に割れて,内部からゆっくりと膨張するように,白っぽい背中が盛り上がってきます。
このへんは,セミの羽化に似ています。(→クマゼミの羽化
チョウの羽化では,蛹の背中が割れたかと思うと,あっという間に成虫が這い出してきます。(→キアゲハの羽化

大きな複眼をもつ頭が出てきて,肢が出てきて,徐々にトンボの体がせり出してきます。[写真3]
この時気づいたのですが,体に白い糸のようなものが。
落ちないように体を支えているのかなと思ったのですが違うようです。
気管の脱皮殻だとか。

羽化開始から5分かけて全ての肢が殻から抜けました。
ここでしばらく動きが止まります。[写真4]
羽化途中に休息が入るのは全てのトンボに共通するようで,肢が固まるのを待っているそうです。
この時の姿勢に2種類あり,トンボの種類によって決まっています。
反り返らずに直立しているものを「直立型」,反り返るように仰向けになるものを「倒立型」といいます。
コオニヤンマは「直立型」ですね。

15分ほど休息した後,前肢をつくと[写真6],残りの腹を引き出しました[写真7]。
皺くちゃに縮んでいた翅の,細かい脈の一本一本に体液が送り込まれ,その圧力で根元からしだいに広がってゆきます。
腹にも,羽化前に吸収した水と,吸い込んだ空気が送り込まれ,しだいに伸びてゆきます。

30分ほどで翅と腹は伸びきり,余った水を腹端から捨て始めました。
肛門水というそうで,ポトリポトリと透明な水滴となって落ちています。

羽化開始から1時間20分が経った11時21分,翅を開きました。
さらに30分経った,11時54分飛び立ちました。

・7:13 ヤゴを発見
・9:58 羽化開始
・10:03 全ての肢が抜ける。動きが止まる。静止期
・10:17 前足をつく
・10:17 体全体が抜ける
・10:32 ほぼ翅が広がる。
・10:46 腹の伸びとまる。腹端からしずく(肛門水)
・11:21 翅をひらく
・11:54 飛びたつ


2018年5月26日

■今年初めて,コオニヤンマの羽化殻を見つけた。(岡崎)
 コオニヤンマの羽化殻について→2013年6月23日


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    [写真73]コオニヤンマ羽化殻

2018年6月24日

・動物園南の疏水岸にコオニヤンマの羽化殻。

  • コオニヤンマ羽化殻
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    [写真24]コオニヤンマ羽化殻

2013年6月26日

  • コオニヤンマ
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    [写真1]コオニヤンマ羽化殻
  • コオニヤンマ
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    [写真2]コオニヤンマの羽化
  • コオニヤンマ
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    [写真3]コオニヤンマ成虫♀
  • コオニヤンマ
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    [写真4]コオニヤンマ羽化殻
  • コオニヤンマ
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    [写真5]コオニヤンマ羽化殻
  • コオニヤンマ
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    [写真6]コオニヤンマ羽化殻

トンボの羽化殻には,開口部に白い糸のようなものが,からみ合っています。[写真1]
この白いひも状のものは何なのでしょうか。

トンボが羽化する様子を見ていると,ヤゴから出てくる成虫に,白いひも状のものが付いています。[写真2]
成虫の体がせり出してくるにつれて,糸は引っぱられて伸び,やがて成虫の体からはずれて羽化殻に残ります。
最初は,この糸は羽化途中の成虫が落下しないようにするための,安全ベルトの役目をするものなのかなと思ったのですが,違うようです。

[写真2]をよく見ると,白い糸は,成虫の体にある穴の中につながっています。
この穴は気門と呼ばれ,気管に空気を取り入れるための呼吸孔です。
昆虫の血液には酸素を運ぶためのヘモグロビンがありません。
そのため昆虫は気管とよばれる,空気を運ぶ管を体中に張りめぐらせ,体の細胞は気管を流れる空気から直接酸素を取りこんでいます。
朝倉書店『昆虫学大事典』(2003年)によると,

昆虫の呼吸系の特徴は,内部形態の項で説明されたように,気門から取り入れた分子状の酸素を,そうした呼吸色素の仲介なしに,気管という管を通じて細胞まで直接,あるいはその近辺まで供給することである。気管系による呼吸は,いわば,それぞれの組織・器官が肺をもっているようなものである。このやり方は,昆虫が地上での生活をするのに好適と考えられる。

トンボの気門は,中胸と後胸に左右一対ずつあります。
羽化後の成虫では,[写真3]の位置にあります。

羽化前のヤゴに気門はあるのでしょうか。
水中で生活するヤゴには,空気を取り入れるための気門は必要ないように思えるのですが。
しかしヤゴにも気門はちゃんとあって,水中では閉じられています。
代わりに肛門から水を吸い込み,直腸のなかにある直腸鰓(ちょくちょうえら)から酸素を吸収しています。
水中生活に適応したヤゴも羽化まじかになると,地上での生活に向けて,気門が開き空気呼吸をするようになります。
羽化の近いヤゴは,茎につかまるなどして胸部を水上に出していることが多くなるそうです。

羽化殻にも気門を確認することができました。
[写真4]を見ると,成虫とほぼ同じ位置に,中胸気門と後胸気門があります。
羽化殻を切開して内部を見てみると,開口部に出ていた白いひも状のものは,それぞれ4つの気門に繋がっているのがわかります。[写真5][写真6]

気門を入り口とする気管は,外皮と同じようにクチクラで覆われています。
いわば,気管は体表が凹んで深い穴になっているようなものです。
そのため,脱皮の際には,気管を覆っているクチクラ層も一緒に脱皮します。
脱皮殻についている白い糸の正体は,気管の脱皮殻だったのです。

[写真2]を見ると,羽化殻についた白い糸を成虫が引っぱっているように見えますが,実は逆で,成虫の体のなかから気管の脱皮殻を引っぱり出しているところだったのです。
羽化が進むにつれ白い糸は,引っぱられてプツンと切れるのではなく,鞘から引き抜かれるようにスッと抜けます。
新しい呼吸器を覆っていた古い膜が取りのぞかれて,羽化した成虫もスッキリと気持ちよいことでしょう。


2013年6月23日

  • コオニヤンマ
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    [写真1]コオニヤンマの羽化殻(♂)
  • コオニヤンマ
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    [写真2]コオニヤンマの羽化殻(♀)
  • コオニヤンマ
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    [写真3]♀(原産卵弁有り)
  • コオニヤンマ
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    [写真4]♂(原産卵弁無し)
  • コオニヤンマ
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    [写真5]♂(原副性器有り)
  • コオニヤンマ
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    [写真6]♀(原副性器無し)
  • コオニヤンマ
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    [写真7]羽化直前のヤゴ(♀)
  • コオニヤンマ
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    [写真8]♂♀の割合

毎朝,岡崎疏水の石垣の前を通るたびに,コオニヤンマの羽化殻を集めています。
6月6日に最初の11個を採取して,それから毎日1~3個ずつ,6月18日までの間に全部で30個になりました。

羽化殻の♂♀の比率が知りたくて,ヤゴの性別を知る方法を調べたところ,ミナミヤンマ・クラブ『近畿のトンボ図鑑 』(2009年)に次のように書いてありました。

幼虫で♂と♀を見分けるには,成虫になった時に産卵管や産卵弁になる部分があるかないかを見る。均翅亜目,ムカシトンボ,ムカシヤンマ, ヤンマ科では,この原産卵管がはっきりしているので,これがあれば♀である。また,均翅亜目の♂では腹部第9節に生殖器になる小さい突起がある。サナエトンボ科の♀には小さいが原産卵弁がある。エゾトンボ科ではトラフトンボ以外原産卵弁は見えず,トンボ科も原産卵弁は見えない。 しかし, ♂には成虫になった時,副性器になる部分が腹部第2, 3節腹側中央に見える。♀にはこれがない。エゾトンボ科やトンボ科,原産卵弁の有無が確認しにくいサナエトンボ科ではここで見分けるとよいが,斜め横から透かして見ないと分からないようなものも多い。

これによると,♀には「原産卵弁」があり,♂には「原副性器」があるとのことです。
「原産卵弁」とは羽化して成虫になった時に産卵弁になる部分です。
つまりこれがあれば♀ということになります。
「原副性器」とは副性器になる部分なので,これがあれば♂ということになります。
(両方があれば,性モザイクで大発見ということになるのでしょうか。近刊の小説「シンクロシティ」では,ハッチョウトンボの性モザイクが重要なファクターとして登場していました。)

[写真3]は,羽化殻にあった原産卵弁の痕。
[写真4]の個体には,原産卵弁の痕がありません。

[写真5]は,羽化殻にあった原副性器の痕。
[写真6]の個体には,原副性器の痕がありません。

[写真8]は,羽化殻30個を♂♀に分けたもの。
♂が6個なのに対して,♀は24個。
♂♀の比率は1:4と,♀が圧倒的に多数でした。


2013年6月8日

動物園南の疏水,2羽のスズメが羽ばたきながら,石垣にのびたツタのあたりを,さかんにつついていました。
近付くとスズメはすぐに逃げ,その後に何かがポトリと落ちました。
奇妙な形をしたものがあるのはわかるのですが,石垣の色に紛れて何なのか判然としません。
顔を近付けてよく見ると,ヤゴから半分だけトンボの体がでているではないですか。

羽化途中を襲われたようです。
手にとるとまだ生きています。[写真1]
私の手の指を必死に登ろうとしています。
致命的な傷は負っていないようですが,正常に羽化するのは難しそうです。
とりあえず手で触らないように,落ちていた小枝にとまらせました。
必死に枝をつかんでいるものの,その力は弱々しく今にも落ちそうです。

枝にとまらせたまま,急いで帰路につきました。
その間にも羽化はどんどんと進行してゆきます。
ヤゴから体が抜け出せないまま羽化は失敗するだろうと思っていましたが,意外にも,途中で無事,体全体がヤゴから抜けだしました。[写真3]

その後は枝にじっととまって大きな変化はありません。
しかし,あらためて[写真4]~[写真6]を見て気づいたのですが,時間の経過とともに腹部が伸びています。
[写真4]では腹部は翅よりずっと短いのに,[写真8]では翅より長くなっています。

8:00頃になると,時々,腹端から透明なしずくを垂らすようになりました。[写真7]
多分,翅を伸ばすために使用した体液を排出しているのだと思います。
チョウの羽化のさいにもみられる現象です。

9:00頃に翅を開きました。
チョウが羽化する際には,翅を乾かすように開けたり閉めたりを繰り返しますが,トンボは一度翅を開いたらそのままにしているようです。
9:47頃,翅を細かく振るわせ始めました。
アイドリングであったかのように,2~3分翅を振るわせた後,ふわりと飛び立ちました。

羽化したのは,コオニヤンマでした。
過去の記事を見てみると,2007年6月2日にも,同じ場所でコオニヤンマの羽化する前のヤゴを見つけています。→2007年6月2日


2008年8月21日

  • コオニヤンマ
  • コオニヤンマ
  • コオニヤンマ
  • コオニヤンマ
  • コオニヤンマ
  • コオニヤンマ

コオニヤンマが歩道にとまっていました。[写真1][写真2]

じっとして逃げないのは,寿命で弱っているのか,羽化したてなのかどちらでしょうか。

コオニヤンマはオニヤンマに似ていますが,オニヤンマに比べて頭が小さく,後ろ脚がとても長いのが特徴です。[写真3]
ヤンマの名前がついていますが,ヤンマ科ではなくサナエトンボ科で,左右の複眼が離れています。[写真4]
頭には1対の角状突起があります。[写真4 円内]

[写真6]は,羽化したてのオニヤンマです。
後ろ脚は,他の脚と同じくらいの長さで,左右の複眼は接しています。

[写真5]は,コオニヤンマのヤゴ殻。枯れ葉に似た扁平な形をしています。
[写真6]のオニヤンマのヤゴ殻と,形が全然違いますね。

『学研生物図鑑 昆虫Ⅲ』(1990年)には,コオニヤンマについて次のように書いてありました。

大形でオニヤンマと間違われることがあるが,頭は小さく,左右の複眼ははなれ,後腿節(こうたいせつ)は長大。山地渓流から中流域にかけての砂礫底(されきてい)の河川に発生し,幼虫は扁平で枯れ葉に似る。成虫期は近畿地方で5月中旬~9月中旬,6~8月に数が多い。


2007年6月2日

  • コオニヤンマ
  • コオニヤンマ
  • コオニヤンマ
  • コオニヤンマ

朝,動物園南の疎水脇の通路に,平べったいヤゴがいました。
干からびているように見えたのですが,つつくとまだ生きています。
羽化する場所をさがしてさまよっていたようです。

とりあえず家にもって帰り飼育ケースに入れておきました。
トンボの羽化のようすはまだ見たことがなかったので,そのまま羽化するまで観察していたかったのですが,出かけなくてはならず,帰ってくるとやはり羽化した後でした。

羽化後の[写真1]をみるとお腹がすこし曲がっています。
飼育ケースには,よじ登れるように木の枝を入れていたのですが,それには登らず,ケースの底で羽化したためのようです。

図鑑で調べると,「コオニヤンマ」でした。
コオニヤンマは「オニヤンマ」の名前がついていますが,オニヤンマのなかまではなく,サナエトンボのなかまです。
サナエトンボのなかまはみな黒い体に黄色い紋があり,オニヤンマににていますが,オニヤンマが左右の複眼がくっ付いているのに対して,サナエトンボのなかまは左右の複眼が離れていて小さめです。

「学研生物図鑑 昆虫Ⅲ」には,コオニヤンマについて次のように書いてありました。
『大形でオニヤンマと間違われることがあるが,頭は小さく,左右の複眼ははなれ,後腿節(こうたいせつ)は長大。山地渓流から中流域にかけての砂礫底の河川に発生し,幼虫は扁平で枯葉に似る。』

「後腿節は長大」とは,後ろあしがとても長いということです。
そういわれて見ると,確かに長い後あしをしていますね[写真2]。
前あし,中あしの3倍くらいありそうです。
[写真4]はヤゴの抜け殻です。ヤゴも長い後あしをしています。
この異常に長い後あしは,ヤゴと成虫とどちらに必要なものなのでしょうか。

変な羽化のしかたをしたようなので,飛べるかどうか心配したのですが,外で離すと弱々しいながらも飛んでゆきました。無事に子孫を残せたらよいのですが。